第1回定例会での一般質問
一般質問 (2月22日)
質問に先立ち一言申し上げます。
小泉質問
昨日の公明党の代表質問、外環道整備の南進ですが、それに対して区長は「私自身が先頭に立ち、近々外環所長へ強く申し入れる」と答弁されました。世田谷区は現実をわかっていません。
先日の日曜日にとても悲しい思いをいたしました。東名ジャンクション予定地において、トンネル工事シールドマシンの発進式が開催され、国土交通大臣、東京都知事、国会・都議会議員、周辺区長などが列席されました。国交大臣は、安全を最優先に工事を進めるとともに、地域の要望を踏まえ、東名以南の計画の具体化も進めていくとされ、都知事は、関係機関と連携し、東名以南について計画の具体化に取り組むと述べられました。しかし、そこに最も関係の深い地元である世田谷区長の姿が見えません。
地域の要望を踏まえと言われ、関係機関と連携しと呼びかけられたのに、その1番の当事者がその場にいないのです。練馬区長も、杉並区長も、式典で思うところを述べられているのです。外環道整備に当たり、あたかも世田谷区という存在がないような状況となっていることを区はどのように考えているのですか。本来であれば、自治体の長として、工事が順調に進むのはよいことではあるが、これまで四十年以上にわたりまちづくりが凍結され、生活設計が成り立たない区民がいたり、やむを得ず地元から離れる区民が多くおられたという事実をしっかりと受けとめていただきたいこと、さらには、立ち退いた区民の多くが南進を望んでいた、このことをはっきりと伝えるべきだったのです。
声なき声を代弁し、言うべきところでははっきり物を申す、それがトップに求められる資質です。その義務を放棄したのです。
さらには、首長がいないからといって地元自治体がないがしろにされていいのですか。1番の当事者でありながらその存在を示すことができないのでは、1人前の自治体とは言えません。今回は指摘だけにしておきますが、区の対応について大反省を求めます。
切れ目のない政策について
小泉質問
切れ目のない政策を行うことからまずは子ども政策について、日本で初めて子ども部をつくり出した経験を踏まえ、ネウボラも認定こども園の所管も子ども部門に置き、さらには、教育委員会と子ども部門を1体化する取り組みを進めるべきです。
今こそ、子育てに関して総合的な組織体制が必要です。切れ目のない政策を実現するためには、責任を持って全体を見渡す所管がなければなりません。児童相談所の移管、ネウボラの地区展開、そして児童館の地域移管を総合的に取り組む責任所管をつくるべきと考えますが、御意見を伺います。
保坂区長
子どもの成長段階などに応じた支援の専門性が求められる1方、世田谷版ネウボラや子どもの貧困対策など、テーマは横断的になってきており、互いの役割を把握しながらそれぞれの所管がチームとなってどう機能していくかが課題となっている。
児童相談所の移管については、アドバイザー会議がスタートし、子ども・若者部を事務局にし、子ども・子育て政策の全体を俯瞰した検討を行い、総合的で最も効果的な児童相談行政をつくっていきたい。
また、総合支所の権限強化、その組織のあり方とともに、子育て支援の中で大きな役割を果たしている児童館にかかわる総合支所、本庁舎のかかわりや位置づけについては、さらに児童館の役割が地域で発揮されるよう検討を進める。
区長部局から独立性を持って運営されている教育委員会については、組織的な1体化はできないが、教育委員会とは総合教育会議などを通して、子ども施策や教育行政についてのあり方を区民やPTA、教員などにも開かれた場で議論し、共有している。
たま子コメント
切れ目の無い政策ということは本当に大切なことなのです。なぜなら、子どもは、発達に応じて、区役所の縦割り行政に都合よく成長するわけではないからです。
切れ目のない政策と区はよく言われますが、その実態は、縦割りを残したまま、連携を強化する、という言い方になります。 この連携を強化する、ということが問題なのです。責任者が誰か、わからないのです。そして、会議が増えます。これらのことは、抜本的に変えていくべきことです。
区長への報告と政策への反映について
小泉質問
実際の区政は、切れ目どころか、ばらばらそのものです。区長は、「区のおしらせ」2月1日号のコラムにおいて、区長として2七地区を回った車座集会で、介護等で困ったときにどこで相談したらいいのかわからないとの声が耳に残った、それで身近なまちづくりセンターに福祉の相談窓口を開設したと書かれています。
全くびっくりです。そんなことも車座集会で指摘されなければわからないのでしょうか。
どこに相談に行ったらよいかわからないというのは、区民共通の悩みです。誰もが思っていることです。区の地域行政制度は大都市における区民参加を制度的に保障するものです。ですから、この地域行政制度を存分に活用し、切れ目のない政策を実現していくべきなのです。
しかし、区長が車座集会で区民の声を聞き、新たな政策を思いつくということであれば、地域行政制度を廃止し、1人で車座集会行政を行えばよいのです。1体全体、区長以外の区の組織はどのように機能しているのか疑問です。どのように区民の実態を捉え、区長に報告し、政策に反映しているのか伺います。
萩原地域行政部長
地区では解決困難な地域や全区にわたる課題を、区長のもと政策形成に結びつけるべく総合支所や本庁に上げていくことも、まちづくりセンターの重要な役割と認識している。 今後もまちづくりセンターを中心に、区民の参加と協働を基本に、防災や福祉など身近な生活圏における地区、地域の強化に向けて全庁的に取組みを進める。
地域包括ケアの地区展開について
小泉質問
報告によれば、ネウボラが浸透してきたことから、支所では妊娠届の申請がふえており、評価できるとのことです。間違いです。地域包括ケアの地区展開を理解していない典型です。
本来であればネウボラサービスをわざわざ支所まで行かずに地区レベルで対処してもらえるということが包括ケアの真意のはず。それを総合支所に来た区民が多くなってよかったと報告するとは全く論外です。
基本的なビジョンが大切なのです。これからの超高齢社会、認知症対応社会を考え、歩いて行ける範囲で基本的な生活が営めるまちづくりであるべきです。そのためには、原則的に地区で全てのことができなくてはなりません。できるかどうかではなく、できなければならないのです。
他会派から、地区に管理職を設置すべきであるとの提言も出されており、私も賛同いたします。地区レベルで区民生活を支える責任者が必要です。
萩原地域行政部長
区民の福祉の困り事や地区の課題は複合的で縦割りでは解決できないものも多いことから、まちづくりセンターは課題を横断的に捉え、庁内所管を含む関係機関とそれぞれの責任を果たしつつ、連携して取り組んでいる。
住民の参加と協働を基本に3者連携、支援の要としてのまちづくりセンターの所長がトップとしての責任感を持って力を発揮できるよう、適材適所による人員の効果的な配置や総合支所のバックアップも含めて、まちづくりセンターのあり方を見直していく。
総合窓口について
小泉質問
区長は、福祉の相談窓口を地区に設置したと言われます。では、福祉ではない相談はどこへ行けばよいのですか。区民は真面目なのです。福祉の相談窓口ができれば福祉の相談はそこへ行けばよいのだ、そして新たに総合支所に総合窓口ができたとなれば、福祉の相談以外は総合窓口へ行けばよいのだと考えます。
区民はこのように真面目に考えるのです。しかし、実際は、総合窓口へ行ってみれば、役所の1部の申請ができるだけ、これは1体どういうことですか。
区は総合窓口整備に当たり、以前に人員はふやさないと言われました。 しかし、今回、29年度予算において、フロアの改修、窓口支援システム等整備で2億5千万かかり、さらに、総合窓口案内嘱託員に1日当たり十5人、集中入力センターに1日当たり十人必要とのことで、年間1億2千万以上の経費がかかるとのことです。さらには、集中入力センター開設に伴い正規職員を3名増員するとのこと。人員をふやさないと言っておきながら、実質1日当たり3十人近くの人員をふやそうとしています。
区長の車座集会で、誰が支所に総合窓口をつくってくださいと言ったのですか。車座集会でも、何とか地区に出張所を残してくださいという意見が幾つも出たのです。区は、総合窓口整備に当たり、人をふやさないという約束を反故にし、さらに総合窓口とは名ばかりの申請事務を受け付けるだけの窓口に膨大な経費をかけ、さらに、1番いけないことは、福祉の窓口と言ったり、総合窓口であったり、区政運営が全くばらばらで、区民が右往左往するばかり。区民に迷惑をかけ、また現場の職員も混乱する。
このような事態を引き起こしていることに、区長以下理事者は全く自覚がないのです。これだけの人員、経費をかけておきながら、実施の後、検証していくなど、全く考えられません。順序が逆です。この際、窓口のあり方を全て見直す、これが必要です。
さらに、今回入力作業等を行う集中入力センターと、窓口支援システム等を整備されるのですが、なぜこれを地区の拠点であるまちづくりセンターとつながないのでしょうか。これこそ地区の窓口で望むものです。
さらに、年間を通じて3十名弱を常時配置するという区の考えが理解できません。異動届等は毎年3、四、5月に集中し、それ以外の時期には明らかに取扱件数が減るのに、そのことについて何らの考えも持たない。これは税金の無駄遣いでしかありません。
萩原地域行政部長
総合窓口の経費等については、総合窓口の開設では、レイアウト変更や非常勤職員の雇用等に要する経費として、合計約2億七千万円を予算案に計上し、システム導入経費も別途想定している。
フロアマネジャーを5カ所の窓口に非常勤職員として2名から3名常時配置し、丁寧に手続等の御案内やサポートを行う。また、集中入力センターでは入力結果の点検、審査を行う正規職員のほか、非常勤職員を十名程度常時配置し、届け出書等の入力作業の迅速化や各窓口の混雑状況に応じて待ち時間の平準化を図る。これらに伴い、配置する職員数については通常時を想定しており、繁忙期については臨時職員等による応援も検討していく。
さらに、総合窓口では、申請手続面での行政サービスの向上を図るとともに、区民ニーズに応じて同じ支所施設内や本庁の専門所管へ適切につなげるコンシェルジュ的な役割を果たすことも目指している。窓口業務のあり方については、マイナンバー制度や総合窓口の実施状況を踏まえ、区民満足度のさらなる向上に努めていく。
まちづくりセンターにおける集中入力センターの利用については、総合支所等の窓口職員と集中入力センター職員の役割分担のもとで処理を進めていくが、仮にまちづくりセンターにおいて集中入力センターを活用する場合、記載台や情報システム機器の購入、配置スペースの確保、職員の増員が必要となるなどの課題がある。今後、運用状況の検証等を踏まえ、まちづくりセンターの業務についても検討していく。
たま子コメント
区は、世田谷独自の地域行政制度を引き続き強化していく、と言われます。さらには、地区を重視していく、といわれます。しかし、実際に行おうとしていることは逆なのです。地区は、伝統的な出張所が廃止され、まちづくりセンター、あんしんすこやかセンター、地区社会福祉協議会が並列で設置され、それぞれ連携していく、とされています。このような事態にこそ、地区の責任者の存在が大切となりますが、その責任者を明らかにしないのです。連携をとります、というのです。これでは、区民は、最終的に誰に頼ってよいのか、わからないのです。さらに区が総合支所に総合窓口を設置しようとしていることについて、これは絶対に間違いです。区民を混乱させます。
社会福祉協議会とボランティア協会について
小泉質問
世田谷区災害時ボランティア受入体制整備事業について報告がありました。区は、5地域のボランティアマッチングセンター、区内大学、サテライト窓口など新たな仕組みを提案していますが、誰が責任を持って体制整備をするのか不明です。区は、地区レベルまで展開する政策については責任者を明らかにすること、先ほどと同じですが、ボランティア受け入れについても地区レベルでの責任者を明らかにするべきです。
さらに、災害時対応も含め、今後の地域社会の超高齢化を想定し、担い手不足を克服することからも、社会福祉協議会とボランティア協会の融合を検討していくべきと考えます。
金澤保健福祉部長
災害ボランティアの受け入れにあたっての地区レベルの責任者については、ボランティア協会と区が連携して、避難所運営組織等へ事業説明を丁寧に行うとともに、養成したリーダー等の人材が町会・自治会を初めとする地区の方々との関係を構築し、実効性のある取り組みになるよう進めていく。
次に、これからの超高齢社会を考え、社会福祉協議会とボランティア協会の融合を図ることについては、社会福祉協議会及びボランティア協会は、災害時の取り組みについて協定を締結するとともに、日常生活支援サービスの提供などに連携して取り組みを行ってきた。超高齢社会に向けて、区としても法人の取り組みが区民にとって効果的に進展できるよう連携を強化していくことが重要であると認識している。
たま子コメント
世田谷ボランティア協会という組織は全国的に有名です。このような組織が区内にあることは世田谷区民の誇りです。
しかし、1方で、社会福祉協議会も徐々に力をつけてきており、今になってみると、地域・地区の中で、それぞれ重なりあう活動も出てきています。今後、さらに高齢化が進展していく中で、区民から見て、わかりやすい組織こそが必要なはずです。
ボランティアに参加していこうという区民からみても、どちらの組織にいけばよいのかわからない、という状況も発生しかねません。ここは、将来を見据えて、大きな観点から組織のあり方自体を見直していく、ということが必要と思っています。
再質問
小泉質問
残念ながら、答弁はほとんど意味がありません。区はいろいろなところで区民をないがしろにし、国からはないがしろにされ、これは正常な区政運営とは私は言えないと思います。しっかり区民の目線で区政運営を図っていただきたいと強く要望いたします。予算委員会で続きをやります。
たま子コメント
それぞれの答弁が、ほとんど、意味をなしていないこと、これは、区民にとって、大きな損失です。 議会は行政のチェック機関といわれますが、その機能がほとんど果たされていないのです。
今後とも、あるべき姿をビジョンとして言い続けることといたします。