第3回定例会での代表質問

代表質問 (9月15日)

質問

小泉質問

通告に基づき質問をいたします。

まず、自粛と自立です。

今回のコロナ対応においては、国や都からの不要不急の外出自粛要請を国民みんなが受け止め、いわゆるコロナ第一波の拡大を防いだということだと感じます。しかし私は、この自粛要請とその受け止めについて疑問を持ちます。

私は、自らの行動の基本として、自立ということを常に考えます。その自立を支えるものとして、自ら判断し、責任を持って行動に移すことが大切です。

本来、自粛という言葉には、自己責任、自己犠牲のような自己決定の意味があったはずです。誰かから要請、解除される筋合いのものではありません。

ところが、今回は自粛要請という半ば強制措置の中で、市民に自己決定を強いている、これは大きな問題です。

この流れの中で、世田谷区はPCR検査を拡充されようとしています。私はこのことについて、基本的に賛成です。一人一人が自らの行動について自ら判断し、その行動に責任を持つきっかけとなり得るからです。

区は、果たしてこのようなお考えをお持ちなのか、様々な議論がある中で、本来の議論がなされていないのではないかということも含め、お考えを伺います。

今回、不要不急の外出はできないとして、高齢者が結果的に閉じこもりを強要されることとなり、学校閉鎖により子どもたちも家にいることになりました。

これら地域が初めて経験したことについて、地域社会の在り方に責任を持つ自治体、そしてその責任者として、どのように日々考えておられていたか、そのことも含め、総合的な見地から検討、観察、研究を行うべきです。お考えを伺います。

今の世田谷区の日々の行政は、あまりにも対症療法、その日暮らしの行政で終わってしまえば、なかったかのようなこととなる、何ら学習効果が感じられません。後世から見ても、世田谷で何が起きていたか、そのとき、区役所はどのような決断をし、それが区民生活にどのような影響を与えたかということを残すべきです。

総合的に地域社会を長期的に見る観点を持つべきであり、そのことを議会を含めて広く区民に明らかにするべきです。お考えを伺います。

コロナを経験した地域社会の今後の在り方と行政の役割について伺います。

区は、地域社会、地域生活がコロナで分断され、様々な格差が広がり、混乱が広がっていることの認識をお持ちでしょうか。

コロナに感染された方のみならず、様々な区民がその生活に影響を及ぼされ、困り切っています。個別対応だけでなく、区として、改めてコロナ弱者ということを想定し、総合的に対応していく、このような区民に寄り添った対応がぜひとも必要です。

以上の様々な点につき、自治体のトップとしての保坂区長のお考えを伺います。

特に高齢者の活動がこのコロナによって大きく変わったことを区は認識しておられるでしょうか。お元気高齢者ではなく、これまで、その陰に隠れていた団体活動ができない高齢者、ひとり暮らし高齢者などの問題点が明らかになってきています。

これまでグループで活動されていた方々も、これを機会に活動をやめざるを得ないというお話を伺うことが多いのです。高齢化の進展とともに、これまでとは異なる状況になってきています。

そのような中、区は、高齢者の方々の居場所である拠点施設を閉鎖しようとしています。代替施設は総合運動場のトレーニング施設であったり、千歳温水プールの健康運動室と言われます。全く区の勘違いです。不登校児童生徒に、クラブ活動やバスに乗ってトレーニングの施設に行きなさいと言っているのと同じことであるとなぜ感じられないのですか。

まず、区がやるべきことは、新たな状況に合った高齢者がゆったりできる居場所としての施設機能の整備計画を策定し、その後に、拠点たる施設の在り方の中で、ふじみ荘の見直しを考えていく、こうあるべきです。

区はなぜ青少年の居場所は順次専用施設を整備していくのに、高齢者施設については全くそのようなことを考えないのか、お考えを伺います。

引き続き、コロナと庁舎問題について伺います。

コロナを経験して、働き方、区民の行動が変化してきています。三密を避けるのは当たり前、リモート会議で済まされるものは積極的に活用、手続もオンラインでできるものはオンライン、学校の授業もオンライン授業、一方で、対面で行うことがよいものはどれか。実質的な選択の世の中となっています。

しかし区は、区民との接し方、その象徴である庁舎の在り方について、全く見直す気配も見せないのは一体どういうことですか。見直しをしたならば、これまでの努力が無駄になると言われる。これまでの努力を無駄にしないために、従来のやり方を貫こうとしているのですか。

区は、過去の経緯で行政運営をしているのではない、未来の区民に向けて仕事をしているのです。区民参加の在り方を見直し、くみん窓口も含めて、区の仕事の手法を集中から分散へ基本的考えを切り替えなければなりません。

この観点から、当然、本庁舎建設計画は見直さねばならない、その最後のチャンスが今であると考えます。区のお考えを伺います。

地域文化の在り方について伺います。

新しい生活様式、新たな日常という言葉が指し示す行動パターンが当たり前のようになりました。

では、その中で、世田谷の特色である文化というものはどのように再生されていくのか、その道筋が全く見えません。

特に区民の様々な活動が盛り上がっていたアマチュアの様々な音楽活動、日本有数のレベルを誇る各大学の音楽活動などが全くできないでいます。できないだけではなく、場合によっては活動が休止に追い込まれるかもしれません。このような事態に対して、区としてきちんとした対応を取るべきではないでしょうか。

コロナだからできないと言うのは簡単ですが、それでは何らの解決にはなりません。世田谷の文化水準を支え、将来に向けて発展していくためにも、区の努力が必要です。区のお考えを伺います。

コロナ後の地域行政の在り方について伺います。

これまで、くみん窓口は、区民の利便性も考え、交通便利なところに設置するとされてきました。しかし、コロナ後は在宅勤務も増え、またオンラインが生活の様々なところに機能していることから、交通機関を使っての外出が基本ではなくなります。

これまで様々な弱者への対応が問題とされてきました。情報弱者、交通機関弱者、また買物弱者などあります。

今、新たに問題とすべきなのが、行政弱者です。なぜ電車に乗って買物に行くつもりもないのに、交通拠点駅まで出向かなければならないのですか。これからは、窓口は交通機関に寄り添うのではなく、地区の区民生活に寄り添うべきです。窓口の今後の在り方について、区の考えを伺います。

窓口での転入者への的確な対応が課題です。今も課題となっている幼児虐待死亡事例については、その多くが転入家族です。他区で起こった悲惨な事例が世田谷区でも起きないとは限りません。

厚生労働省は、この転入者と虐待問題について、転入届の取扱いの際に、地域の情報をきちんと伝えることという通知を出しているのですが、区はそれをやらないのはなぜか。あの集中窓口の混雑の中で、とてもそのようなことは対応できないからです。

さらには、地域行政の検討会の中で、委員長があえて発言され、転入届を地区でやることについて前向きな発言をされたのに、報告ではそのことが全く記載されていないのです。区の対応に不信感を持ちます。

転入届の処理の在り方について区のお考えを伺います。

さらに、今回の区の報告では、地区レベルでのコミュニティーを考える際に、現実に地区での実質的なコミュニティーを支える児童館、子育て広場、図書館、区民センターなどについて何ら考えていません。

これら地区に存在し、区民が利用する様々な施設機能を総合的に捉え、それを取りまとめる新たな地区拠点を位置づけるべきですが、お考えを伺います。

トップのリーダーシップと組織運営について伺います。

私は区政の実際の組織運営については、原則として口は出さないという立場です。行政の方々はプロでありますし、そのプロ集団が区民のためを思い、全力で仕事に取り組んでいただけると判断しているからです。

しかし、今回のコロナ対応については、大いに疑問を持ち、問題提起をせざるを得ません。

この四月、例年、最も転入手続で窓口が混む時期ですが、コロナ騒動とはいえ、やはり支所のくみん窓口は混雑しており、職員が三密回避に努力はされているようでした。

そこで、他の部署からの応援体制はどうなっているのかと伺うと、特にその体制にはなっていないということ。そこで、他の部署の方に応援派遣しないのかと伺うと、在宅勤務を行っているために職員を応援に出せないとの答えでした。

疑問に思い、どうしてこのようなことになったかと調べてみますと、四月に政策経営・総務両部長名で各部宛てコロナ対策の文書が出ており、簡単に言いますと、各所属は、コロナ対策で職員の安全を守るためなどのことから、在宅勤務を実施していくこと、各課、各部で実施し、各部対応ができない場合は人事へ相談することという内容でした。各所属はこの通知に従ったものと思いますが、大いに問題があると考えます。

まず、考えるべきなのは、区全体として、窓口などをいかにして三密を避けるために人員を手当てして区民の安全を守るかという観点です。

さらには、コロナで大変な対応をされている、例えば世田谷保健所、支所のくみん窓口、定額給付金担当、緊急あっせん融資窓口など、区全体としてどのような応援体制を組むか、その体制を取った後に、区全体として在宅勤務を実施する、これが当たり前のことでしょう。

ところが実際は、その体制が取られなかった。在宅勤務をできる部署はきちんと在宅勤務を交代で行い、先ほど申し上げたコロナ対策部署は、在宅勤務はおろか、年休も取れない、それどころか休日出勤に大残業の連続、一体全体なぜこのような事態が起きたのですか。

組織のトップであれば、全体を見渡して、自ら号令を出し、全庁的な応援体制を取り対応する、そうして区民と職員の安全をこのように守ると表明すべきでした。それができなかったため、一部の職員に負担をかけてしまった。これはトップのリーダーシップの失敗です。反省すべきです。どのように感じておられるのでしょうか。

それに、今回のコロナ対応で私が最も問題とするのは、保健所の組織改正問題です。

今回、コロナ感染対策として、区の保健師の本来業務を保健所とし、総合支所の勤務を兼務とされました。これは、世田谷区が地域行政の重要な柱として取り組んできた地域保健福祉の連携を根本から揺るがしかねない大きな問題です。

確かに、感染症対策は重要な課題です。区を挙げて取り組んでいかなければならない、あるときには総力を尽くして事に当たらなければなりません。しかし、同時に、地域社会では大切な日常生活が営まれている、このバランスをどのように取っていくかがトップの責務なのです。

全ての世田谷区職員の本務は、現場、地域であるべきです。しかし、今の世田谷は、そのトップがリーダーシップを取っていない。先ほどのコロナ関連で倒れるほど忙しい部署に対して、通常の組織を超えた応援体制が取れない。そして、最後には地域の保健師の本来業務を保健所業務とし、支所の仕事を兼務仕事と位置づけている。つまり、リーダーシップの欠如を組織改正で補おうとしているのです。この姿勢は疑問です。区のお考えを伺います。

世田谷の基礎体力を強化させるための産業の在り方について伺います。

これまで、区の産業部門は、主に区内の産業のうち、商業、工業、農業を中心とし、その振興を図られてきたわけです。一方で、今回のコロナ対応については、融資あっせんを中心として、部を挙げて取り組まれたことを評価します。

私も少なからぬ事業者の方々から困難な事業継続や当面の資金不足の相談をお受けし、区内の多くの事業者、事業所は、それぞれの活動をしながらも、従業員の生活を守り、地域でそれなりの立場を守ろうとされていることが痛いほど感じられました。

このことから、これまでの商工農の業種を超えて、全ての産業を振興させることが区民生活を豊かにしていくということの認識を区は持っているのか、その使命感を区は持っているのか、まず伺います。

さらに、このコロナ禍で、都は不要不急の外出は避け、買物は通販で行うという要請が出て、多くの区民、そして高齢者が従ったのですが、果たしてそれでよいのでしょうか。お年寄りも含めて、身近なところにお散歩、買物に行き、自由に物を選べる、その楽しさを身近で味わうことができるということがとても大切であると感じられます。

区として、お買物の楽しさを区内どこでも味わうことができるための方策を立てることが必要であると考えますが、お考えを伺います。

さらに、地域社会を支える重要な役割を果たすのが介護事業所です。この介護事業所については、既にPCR検査の取扱いについて優先的に位置づけられているように、区も重要性を認めています。しかし、PCR検査を行えばそれで済むのか、従業員の人々が安心して仕事に取り組んでいかれるのかというと問題があります。

多くの事業者が組織基盤も十分ではなく、職場の環境、さらには従業員の方々の福利厚生についてはほとんど配慮されていないことが多いかと思われます。これでは人材が流出し、運営が立ち行かなくなり、結果的に利用者の方々に被害が及ぶということが考えられます。

産業部門として、これらの福祉事業者等を区内の重要な産業と位置づけ、的確な支援を早急にしていくことが必要と考えますが、お考えを伺います。

子どもの育ちと地域の学校の在り方について伺います。

教育長は、一人も取り残さない教育を重視すると言われます。

不登校・落ちこぼれ児童生徒問題はもちろん解決すべき課題です。

一方で、私は落ちこぼれだけではなく、いわゆる吹きこぼれ、能力が高過ぎて周囲と協調できず、結果として学校から離れてしまうということについての問題も提起しました。

以前、他会派からのこの御質問の論議の中で、対象を明確にして特別な対応を行う施設、例えば不登校特例校などの仕組みのお話がありましたが、私は、教育課程を一つの枠と捉えて、その枠から落ちてしまった落ちこぼれ、あるいははじけてしまった吹きこぼれの子どもたちをどうするかという観点からだけの特別な対応には疑問を持ちます。

なぜならば、落ちこぼれでもなく、吹きこぼれでもない枠の中にいる子どもについては、同じ対応、型通りの指導となることが前提となるからです。これはやはり、教育課程をまず枠のようなものと考えたことからの必然の結果であると思います。

現在の検討過程を前提としては難しいことかもしれませんが、今後は子ども一人一人の個性をそれぞれどのように生かしていくかという基本的立場を取るべきと考えます。

このような考えが、教育長の言われる一人も取り残さない教育の内容となり得るものか、このことについてお伺いをいたします。

以上で、壇上からの質問を終わります。(拍手)

答 弁

保坂 区長

小泉議員にお答えをいたします。

まずは、自立についてであります。

お話しのありました自立とは、一人一人の区民が自らの生き方や行動を自らの責任で選択し、決定することだと私も考えております。

区では、そうした区民の選択や決定を尊重し、区民同士が支えあう地域活動の支援、学校や道路などのインフラ整備、福祉の相談支援やセーフティーネット構築など、区民の共助と自立を支える環境整備のほか、区民の参加と協働により、よりよい地域づくりに取り組んでいく責務があると考えています。

お話しのように、今般の新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う、いわゆる外出自粛は、罰則などによる強制力はございませんでしたが、多くの区民や人々が感染症拡大防止のために、自らの判断で主体的に行動を抑制し、社会全体の安全に配慮したことで第一波の感染抑制に一定の効果があったと認識をしております。

御指摘のPCR検査の社会的検査についても、介護事業所などの施設利用者の重症化回避と、人との密着度が高くて感染が起こりやすいとされる社会的なインフラを支える仕事を維持するために、対象事業所に従事される職員や御利用者の御理解、協力の下に協働して実施するものであります。

引き続き、区民の健康と命を守り抜くことを基本に、区民の主体的な行動を支え、誰もが安心して暮らしていける地域社会の実現に向けて取組を進めてまいります。

次に、この間の期間、子どもたちや高齢者の皆さんの置かれた状況に対してどう捉えているかというお尋ねをいただきました。

緊急事態宣言の下で、外出自粛や学校の休校、施設、店舗の休業が要請され、企業では在宅勤務を加速させるなど、かつて私たちが経験したことのない大きな日常生活と社会経済状況の変化が起こりました。子どもたちにとって、また高齢者の方々にとって、計り知れない大きな影響がもたらされたものと受け止めています。

対面によるコミュニケーションが制限される中、これまで以上に地域や社会とのつながりの必要性が再認識されているところだと考えています。

コロナ禍において、これまで以上に創意工夫を凝らし、地域社会に暮らす区民のために知恵を絞り、努力を重ねて、コミュニティーの再構築や孤立化防止のために、区の役割を自覚していく必要がございます。

感染予防の徹底と区民、事業者の活動の活性化を両立させ、誰もが安心して暮らせる地域社会を実現するため、各総合支所の地域振興課やまちづくりセンターには、重要な取組を促してまいります。

私を本部長とする新型コロナウイルス感染症対策本部において、各総合支所長やそれぞれの所管部長から、区民や事業者の方々の様々な声や、区民生活や地域の経済、社会の実態の報告を求めながら、総合的な検討を進め、これまで数次にわたる補正予算による緊急対策に引き続き、時期を逸することなく必要な施策を実施してまいります。

次に、現在の区政、もっと総合的な観点をという御指摘に対するお答えです。

区は、これまで新型コロナウイルス感染症に伴う緊急対応に全庁を挙げて取り組んでまいりましたが、区民生活や事業活動へここまで甚大な影響を及ぼしていくということが、当初十分に予想できていなかったものと振り返っております。

事業者支援や生活困窮者支援、そして特別定額給付金にも全庁的な応援体制を組んできましたが、区民の要望に十分お応えできなかった面があったことは、責任者として深く反省するとともに、今後の改善をお約束して、おわびするところでございます。

今後、厳しい財政状況が見込まれる中ではありますが、これからの地域社会や地域コミュニティーの在り方を見据え、対症療法ではなく、地域課題の本質を見極めて、中長期的に総合的な観点から施策の見直しに取り組んでいきます。

さらに、新たな地域行政制度の構築に向けた条例や計画、次期の実施計画や基本計画など今後の区政運営の基本的な考え方をつくり上げてまいります。

最後に、コロナ後の地域社会の在り方について、弱者への対応など御質問をいただきました。

新型コロナウイルス感染症拡大により、家計収入の減少や事業の停止、健康不安の増大や地域活動の停止、小中学校における授業の見合せなど、区民生活に与える影響は大変甚大でありました。七月からの感染が徐々に落ち着きを見せている中にあっても、本来の日常生活を取り戻すには、まだ長い時間を要するものと想定をしております。

地域社会においては、議員御指摘のように、格差の拡大や、人々の間で分断の兆候が出てきております。

これまで当たり前のように行われてきた人と人との交流、地域イベント、様々な企画や行事、地域コミュニティーの支えあい活動、これが減少したことで、必要とされている方に支援の手が届かないなど、孤立化が進展することは、本来あってはならず、物理的な距離だけではなく精神的な距離が広がってしまうことが大変危惧されるものだと考えております。

世田谷区では、PCR検査の拡充など感染症対策をはじめ、区内産業の支援策を迅速に講じていくとともに、地域行政制度の再構築に当たり、このコロナの影響、コロナ後の社会も視野に入れ、地区、地域を中心としたコミュニティー活性化に向けて、全庁挙げて取り組むよう指示してまいります。

宮崎 副区長

私からは、トップのリーダーシップと組織運営について、本務、兼務、組織改正の関係について御答弁申し上げます。

今般のような新型コロナウイルス感染症拡大などの有事に際しましては、濃厚接触者の追跡や医療機関との調整業務などにおいて、保健師を中心とする医療専門職員が地域の単位を超えて対応することが不可欠となります。

今回の保健所体制の強化に係る組織改正は、保健福祉センター健康づくり課の課長及び保健師等の医療専門職員の本務を保健相談課とし、保健所長の指揮命令系統下に配置することで、有事の際に、課長や保健師等が状況の段階に応じまして、迅速に参集し、同一組織として、機動的かつ柔軟に業務を遂行できるようにすることなどを目的としたものです。

保健相談課の職員は、保健相談課が本務、健康づくり課が兼務となりますが、平時におきましては、これまでどおり地域におり、区民との関わりを大切にし、業務の進め方を見直すことにより、地域の健康づくりを推進してまいります。

今後も、区長の強いリーダーシップの下、未曽有の危機から区民の生命と健康を守るため、全庁で新型コロナウイルスの感染拡大への強い危機感を共有し、職員の意識醸成を一層図りながら、緊急課題の解決に全力で取り組んでまいります。

以上でございます。

岡田 副区長

私からは、三点について御答弁申し上げます。

まず、コロナ後のくみん窓口に対する基本的考えについてでございます。

新型コロナウイルス感染防止対策として、窓口現場においては、三密を避けるための対策を様々講じてきたところですが、くみん窓口や出張所においては、特別定額給付金のマイナンバー関連のお問合せ等も重なり、各種申請届出の繁忙期に来庁される区民の皆様をお待たせするなど、御迷惑をおかけいたしました。

こうした繁忙期対策として、区では、この間、集中入力センターの設置やフロアマネジャーの配置、番号発券システムの導入などの対策を講じ、一定の効果を上げてきたところですが、今般の状況を踏まえますと、今後、区民のICT環境の進展に伴い、電子申請の拡大など、区役所に来なくても手続ができる行政手続の拡大など、行政窓口の在り方の改善が問われていると考えております。

一方、現在、地域行政制度の再構築に向けた検討を進めておりますが、新たな時代にふさわしい地域行政制度を構築していく上では、区民に最も身近な行政拠点であるまちづくりセンターの機能、在り方が最も重要なポイントになると考えております。

地区防災力の強化や地域福祉の推進、コミュニティーにおける人と人の顔の見える関係づくりをしっかりと進めることができるまちづくりセンターを目指すことを基本に、区議会の御議論もいただきながら、地区の方々が集まる仕組みや窓口機能の在り方についても検討してまいります。

次に、コロナを経験した後の本庁舎整備計画について御答弁申し上げます。

本庁舎につきましては、機能的・効率的で柔軟性の高い庁舎を基本的方針の一つに掲げ、社会情勢の変化、情報技術の高度化など、将来起こり得る様々な変化に対応できる庁舎として設計を進めてまいりました。

具体的には、部署間に間仕切りを設けないオープンな空間とすることで、組織、人員の変更等への柔軟な対応を可能とし、オンライン会議にも対応できる無線LANやモニター等の設備を配置いたします。

今後、庁舎竣工までの間、また竣工後も、新型コロナウイルス感染症をはじめ、将来、様々な社会的要因により、地域行政の推進や働き方改革、また自治権の拡充等が促進され、本庁の窓口や執務室等の在り方が変化していくことが予想されます。

将来の自治体のありようを完全に想定することは困難ではありますが、待ったなしの災害対策拠点機能の強化を図りながら、三十年後、五十年後先の様々な変化にも迅速かつ柔軟に適応できる可変性の高い本庁舎を整備してまいります。

次に、産業振興に対する基本認識について御答弁申し上げます。

産業は地域社会を構成する上で不可欠なものであり、まさにまちづくりの軸であると認識しております。

産業ビジョンでは、区民が住み慣れた町で充実した日々を送ることができ、安全安心、快適な環境を享受できるように産業が支えていくということや、にぎわい創出と環境に優しい潤いに満ちたまちづくりに区内産業が貢献していくと、このようにしており、そのような観点から、産業の振興を進めているところです。

世田谷区は、九十二万人という多くの人が住む住宅都市ではありますが、産業があることにより職住近接が可能になるとともに、個性的な商品やサービスの購入ができ、町のにぎわいが生まれ、生活に潤いを与えるなど、区民生活が豊かになるものと考えております。

コロナ禍の中で、改めて身近な地域が見直されております。地域にある人材、事業者、区民を生かして、持続可能な地域経済をつくり上げていく意味は大きいものと考えております。区、産業振興公社とともに全力で支援をしてまいりたいと考えております。

以上でございます。

渡部 教育長

私からは、一人も取り残さない教育から一人一人を伸ばす教育への転換について御答弁申し上げます。

私は、教育長として就任するに当たり、誰一人置き去りにしない教育を推進していくと申し上げました。これは、教育の現場での経験から間違いない課題であると考えたからです。今後とも、全力を挙げて取り組んでまいります。

新型コロナウイルス感染症の対応では、資源も条件整備も十分ではありませんでしたが、それぞれの学校で工夫してきたことが新たな教育を目指すこととなり、一人一人に応じた個別学習と協働的な学びの大切さが取り上げられるなど、学び方がクローズアップされ、これまでの教育の在り方を見直すことのきっかけとなり、教育の責任者として深く考えさせられました。

その一つが、私の申し上げてきた誰一人置き去りにしない教育が不登校の子どもや理解を要する子どもへの教育に重点があったのかということです。

御質問にありましたとおり、落ちこぼれ、不登校の子ども、学校で通常に学んでいる子ども、お話の吹きこぼれなど特異な能力を持つ子どもなど、それぞれに対して的確な教育を現在の枠組みの中で進めていくということには限界があろうかと思います。子ども自身の能力や今後の成長などから、分類することはできないからです。

今後は、それぞれの状況に応じて、特例校制度などで個別に対応していくことも必要になりますが、私の基本姿勢である誰一人置き去りにしない教育は、単に不登校や子どもの理解度に応じた指導を行うだけではなく、一人一人の子どもの個性を尊重し、より伸ばす教育を推進するということに主眼があるということを今後様々な課題を解決するに当たり、明確にしていきたいと思います。

もとより、学校教育は様々な決まりの上で動いていくのは当然のことでありますが、このような観点を常に考えながら進めてまいります。

以上でございます。

松本 生活文化政策部長

私からは、二点の御質問にお答えをいたします。

まず、高齢者施策についてでございます。

区内の高齢者は約十八万五千人となっており、ひとり暮らしの高齢者、高齢者のみの世帯がそれぞれ三割を超え、今後も増加が見込まれることから、孤立の防止や健康長寿を目指した高齢者のコミュニティー支援が課題と考えております。

区では、こうした課題に対応するため、高齢者の社会参加促進施策の充実に取り組んでおりますが、身体状況により、積極的な活動が難しい方や、身近な場所で憩いやくつろぎの場を求める方もおいでになると考えております。

ふじみ荘の廃止に伴い、現在御利用の皆様には、千歳温水プールの健康運動室や他の高齢者施設、高齢者の憩いの場である地区の集会施設などを利用していただきたいと考えておりますが、多様性や新しい生活様式を踏まえた高齢者のコミュニティー支援の観点から、各施設が地区の活動の場だけでなく、高齢者が安心して外出、利用できる居場所づくりについて、高齢所管、それから総合支所など、関係所管が連携をいたしまして、検討してまいりたいと考えております。

並行しまして、高齢者の孤独や孤立の防止に向け、他自治体の取組に加えまして、コミュニティー施設を活用したDIYや、世代を超えた朝食会などを行っている海外の事例などにも学びまして、世田谷区における高齢者施策の充実につなげてまいりたいと考えております。

続きまして、コロナ禍での区民の文化活動支援についてでございます。

新型コロナウイルス感染症の影響により、様々な文化事業や文化芸術活動が自粛、縮小を余儀なくされ、区民の文化芸術活動、あるいは文化芸術に触れる機会も制約をされております。

文化芸術は心の豊かさや生活の潤いにつながるものであり、コロナ禍の今こそ、文化芸術活動に携わる方への支援や、区民が文化芸術に親しむ機会の創出が求められていると認識しております。

この間、動画や音声配信などによる文化芸術活動が行われておりますが、区民の文化芸術活動の活性化に向けては、身近な地域で、新しい生活様式、新しい日常を踏まえた活動が展開できるよう支援する必要があると考えております。

今後、公共施設を活用した発表機会の提供や、区民の文化芸術活動を支援する世田谷芸術百華の活用など、音楽をはじめとする区民の活動が積極的に実施できるよう、総合支所とも連携しながら、具体的に支援に努めてまいります。

以上でございます。

清水 地域行政部長

私からは、三点について御答弁いたします。

初めに、地域行政検討委員会委員長の発言を受けてについてです。

本年一月に開催した第二回地域行政検討委員会において、まちづくりセンターで転入手続を行うことができるのであれば、まちづくりセンターの認知度を高めるという点ではよいのではないかという委員長の発言がございました。

まちづくりセンターが地区の行政拠点として求められる役割は様々ございますが、地域コミュニティーが希薄化し、コロナによる人と人との距離が広がる危機の中において、身近なコミュニティーを大切にして、自立した住民活動による支えあいとまちづくりを進めるため、まちづくりセンターが地区により深く入り、粘り強く多様な活動をつないでいくことが最も重要な役割と考えております。

まちづくりセンターの認知度の向上はそのための第一歩であり、行政や地区が発信する様々な情報や、多くの区民や活動とつながるきっかけが得られる場として、地区の住民同士をつなげる機能が地区行政拠点の役割と考えております。

転入手続を行うことにより、確かにまちづくりセンターの認知度が向上しますが、その先にある地区のまちづくりの推進にどのようにつながるか、人員体制など様々な観点からも具体的に検討を進めてまいります。

次に、虐待対応と転入者対応についての国の基本的な考えを踏まえた転入者への対応について御答弁いたします。

目黒区や野田市における幼児虐待の事件を受け、昨年八月の厚生労働省の専門委員会において、転居情報を把握できる仕組みづくりと地方公共団体での確実な継続支援の実施という地方公共団体への提言を含む報告書が出されております。

虐待に関連した要支援家庭の住所異動においては、転入前後の自治体の担当所管の間において、情報伝達を図ることがルール化されております。

虐待の防止に向けては、関係機関の適切な対応が求められるところですが、地域で支えあう関係が育まれることにより、地域の力で防ぐことができる可能性も考慮し、地域行政の検討においては、地区、地域におけるコミュニティーの促進という視点から、まちづくりセンターに求められる役割や機能について検討を進めてまいります。

次に、地区での行政拠点づくりについて、取りまとめる新たな地区の拠点を位置づけるべきについて御答弁いたします。

区民の自主的な活動の場として、区民センターや児童館、図書館、子育て広場などをコミュニティーとして捉え、それぞれの活動や事業が相互につながり、町会・自治会など住民自治組織とも連携し、参加者の拡大や人材交流を進めることが持続可能な地区まちづくりにおいて重要な視点と認識しております。

区民センター運営協議会による自主事業の拡充や、児童館の日常活動やイベントを通じた子育て拠点、活動団体との顔の見える関係づくりがそれぞれの自主的な活動を尊重しつつ、地区全体で活気に満ちた魅力ある地域活動が展開されるよう、情報を共有し、相談することができる交流の場が必要です。

まちづくりセンターが地区まちづくりの拠点として、地区の情報バンク、情報発信の役割を担い、多様なまちづくり活動をつなぐコーディネーターとして、その機能を十分に発揮することができる体制を構想し、その実現に向けて計画的に取り組んでまいります。

以上です。

田中 総務部長

私からは、コロナ禍における職員の在宅勤務と応援体制について御答弁いたします。

コロナ禍のような緊急事態において、必要なサービスを見極め、的確に区民に提供するためには、職員の感染予防、感染拡大防止は不可欠です。このため、通勤における接触機会の低減や職場の感染拡大防止に向け、各部で職務内容を精査し、区民サービスへの影響を最小限に抑えながら、在宅勤務や週休日の振り替え、時差出勤等に取り組むよう要請をいたしました。

また、こうした状況下では、日常と異なる業務の繁閑が生じることから、必要な職務に柔軟に人材を割り振るため、各部からの要請に応じ、全庁で延べ千七百名に及ぶ臨機応変な職員の応援体制を取ってまいりました。

今後も各部と十分に連携しながら、人材の有効活用を図り、優先すべき業務に必要な人材を配置することで、区民サービスの向上に努めてまいります。

以上でございます。

田中 経済産業部長

私からは、二点御答弁いたします。

まず、買物についてです。

多種多様なお店が立ち並び、身近な場所で買物を楽しむことができるのが、商店街の魅力です。

多様な品ぞろえの中で、誰もが買物を楽しめる場を提供するためには、商店街を一体として捉え、均衡の取れた業種業態で構成することが望ましいと考えています。また、買物のときにお店の方と話すことが唯一の会話であり、楽しみになっているという高齢者の方もいらっしゃいます。こうした対面販売が難しくなってきていることに危機感を持っています。

コロナ禍において、各個店は経営の存続をかけて様々な創意工夫を凝らしており、例えば商店同士がインターネットで寄り合って商店街をつくるといった新たな技術を活用した取組も見られます。このような従来の発想にない取組に注目しながら、個店の取組を支援してまいります。

買物の場が近隣にないことが課題となっているエリアにおいては、総合支所と連携し、移動販売やキッチンカー事業者の誘導など、買物を楽しみたい方々に多様な選択肢を提供する施策を展開いたします。

次に、介護事業所についてです。

平成二十八年経済センサスによれば、区内の介護事業所数は約五百三十、従業員数は約一万千五百人であり、区内では近年伸び続けている産業です。

超高齢社会を迎える中で、介護事業は、介護を必要とする高齢者やその家族の生活を支える産業として、非常に重要な役割を担っていると認識しております。

一方、令和元年度世田谷区介護保険実態調査で、離職の理由を尋ねたところ、主な理由は、「健康上の問題」、「職場の人間関係」、「給与に不満」であり、労働環境改善のために重要だと思う取組みは、「労働条件の改善」、「柔軟な働き方の促進」、「福利厚生の充実」となっております。

経済産業部としては、介護事業所で働く方を支援するため、産業振興公社のセラ・サービスを活用し、健康診断などの福利厚生事業に加え、メンタルケアやハラスメントの相談などを積極的に行ってまいります。また、全ての介護事業所で働く方を支援する観点から、産業振興公社と協力し、未加入の事業所への加入促進も併せて行ってまいります。

私からは以上です。

再質問

小泉質問

御指摘のPCR検査の社会的検査についての御質問は、私は質問していませんので、どうして答えられたのかなと思います。

本当に答えてくださっているのと答えてくださっていないのがあって、トップのリーダーシップの在り方について質問したことに、区長ではなく副区長が答えられた、これが今の区政を象徴していると思います。まず、そのこと。

それから、コロナ対応では、区民第一ではなくて職員第一で、まず、それぞれの職場の在宅勤務から開始する。それならそれで、保健所、定額給付金、くみん窓口、融資斡旋の各職員はコロナを避けるために在宅勤務が実施できたのですかと、できていなかった。この状況を放置する区の姿勢が信じられない。

ある管理職に応援に行かないのかと聞いたら、あんな大変で危険なところに私の職員を出すことができないと言ったんですよ。私は怒りを感じました。

そういう中枢の皆さんの考え方が不思議でたまらない。トップとしての考えがあったらお答えください。

保坂 区長

再質問にお答えをいたします。

当然、この春に突如として始まった新型コロナの広がりについて、まず業務が集中したのは保健所であります。保健所で集中し、しかし、対応ができる保健師の方の応援をいただいたり、そういった体制を組んでまいります。

一方で、同時に、感染をする、例えば高齢者施設が舞台になった。あるいは保育園で感染が出たというと、それぞれの所管部が、代替の保育はどうするんだ、あるいは、どのようにその施設を支援するかということで、フル回転をしてくれたと思っております。

他方、これまでのリーマンショックで我々が体験した、例えば事業者緊急融資、あるいは社会福祉協議会における生活貸付け、住宅確保給付金、これについては、新聞によると六十倍の申込みがあったということで、現場からは大変大きな悲鳴と、あるいは危機感が伝わってまいりました。

それぞれ応援職員を派遣をいたしまして、そのシフトを組みながら、工夫をして緊急融資、また社会福祉協議会の現場でも対応していただいたと思いますが、大変その負荷は、それでも大変長時間に及んだり、大変精神的なストレスも多かったことと思います。

とりわけ特別定額給付金においては、様々な理由で、にわか設計だったということもあって、電子申請の問題で苦労し、その後、やはり当初組んだ体制が非常に不足をしていたということに、大変私も責任を感じます。危機感を持ちまして、相当数、庁内の、今、総務部長が答えましたけれども、延べ千七百人、多くは特別定額給付金のそれぞれのジャンルで、いわば基本業務が肥大化しているところを切り取って、助けていこうということであります。

同時に、区役所の職員の中で、密な環境の中からクラスター、あるいは集団感染、こういったことにならないように、腐心をしてまいりました。

今、小泉議員がおっしゃったように、ある部署に非常に負荷が集中し、それ以外のところはどうだったんだということについては、よりこれから第三波、こういったこともあると思いますので、教訓として、チーム世田谷として、お互いが区民のために、お互いが感染をしないように配慮しながら頑張っていける、一つの部署の限られた職員が集中的な負荷をかぶって、そして、健康を損ねていったりというようなことに絶対にならないように頑張っていきたいと思います。

ありがとうございます。