第2回定例会での一般質問

一般質問 (6月15日)

小泉質問

本庁舎整備問題については、余りにも検討のレベルが低く、私は、今の建設案、取り組みの方法では、次の世代の区民、職員へ説明がとてもできない、そのことから、賛成できないということを表明しておきます。

先日、区から、本庁舎等整備にかかる主な調査結果が報告されました。「会議室の規模と必要数を、現在の会議の実態から算出した」、「相談スペースの規模と必要数を、現在の相談の実態から算出した」、「必要な窓口数を現在の窓口で対応する業務の実態から算出した」とされるのです。疑問に思い、担当部門に、会議や相談、窓口のあるべき姿はどのように考えているのか伺っても答えがありません。会議室が足りないのではなく、会議が多いのです。

相談がなぜ多いのか、なぜ、本庁の窓口まで区民がわざわざ来なければならないのかを考えていません。職員の執務スペースが足りないのではなく、職員が多いのです。

あるべき仕事の姿を考えないで、なぜ、あるべき庁舎の形が考えられるのですか。

さらに今回、庁舎を訪れた人の庁舎内での訪問先、いわゆる来庁者動線調査を行っています。

今、必要な調査は、区民が、まちづくりセンターに行き、そして、総合支所に行ったけれども、問題が解決できず、やむを得ず、遠い本庁舎に交通機関を使って来ざるを得ない、そのような事例がどうなっているか、これを調べずして、本庁舎に来た区民の動線を調べるというのは、全く、税金の無駄使いともいえるものです。地域行政の展開も踏まえた本庁舎のあり方、という観点が、今の区には、圧倒的に不足しています。

松村庁舎整備担当部長

お話のありました調査は、現状の把握と現組織を前提とした要望の整理などを行ったものでありますが、これらを基礎データとしながら、現在検討されている組織改編や働き方改革に向けた取り組みなどを踏まえて、本庁舎の整備について、今後の設計の中で関係部署と連携し検討してまいります。

一方、中長期的な区政を取り巻く様々な変化に対応していくためには、行政組織改革と本庁舎につきましては、今後も引き続き、区民、議会と議論を重ねていかなければならない課題であると認識しております。

こうしたことを踏まえ、基本設計方針案では、「機能的・効率的で柔軟性の高い庁舎」を5つの基本的方針のひとつに掲げ、今後の行政需要の多様化、社会情勢の変化、情報技術の高度化など、様々な変化に対応できる機能的・効率的で柔軟性の高い庁舎を目指すとともに、職員の働き方改革に取り組んでいくとしたところです。

この方針を具体化するための各種設計要件を、今回基本設計方針案にお示ししたものでございます。

たま子コメント

この新庁舎問題については、なし崩し的に、これまで出されてきたものが、そのまま決まっていく、このパターンです。

とにかく、あるべき姿というものを、全く考えずに、目先の問題を解決していこうとする、区政のこのごろの仕事の進め方が、この庁舎問題にも現れています。

他の問題と違うところは、本庁舎は作られれば、60年、70年は使っていくものです。次の世代の区民、職員に胸を張って、引き渡したい、これが、願いです。

 

小泉質問

本庁舎の正面玄関がないではないかと指摘すると、最も来庁者が通るところを正面玄関とするとされます。それが、なんと、区民会館の入り口の隣です。

区は、90万世田谷の正面玄関というものをなんとも考えていないとも思われますが、お考えを伺います。

松村庁舎整備担当部長

来庁者は、東西のメインアプローチ、さらに、北側、南側からも、本庁舎機能、議会機能、区民機能にそれぞれアプローチできることとなります。

今回、これらの各機能の出入りが集中する位置を区庁舎の正面玄関として、設定したものでございます。

今後、来賓用の車寄せなど、正面玄関としての設えを工夫するとともに、区民の方によりわかりやすい庁舎となるよう、東棟のみならず、総合支所を初めとした区民窓口を配置する計画の西棟にも総合案内を設置するなど、検討してまいります。

たま子コメント

区は、正面玄関というものを、全く理解していません。

正面玄関は、区政をあらわすもの、豪華に作るべき、と言っているのではありません。世田谷区の象徴となるべきものではないか、ということです。区は、通用門をたくさん作るから、便利で良いでしょう、と言われますが、全く、レベルが低い、というか、感性が感じられない、仕事です。恥ずかしくなります。

 

小泉質問

その正面玄関の隣の、区民会館の耐震性が、本庁舎と異なるというのは、いかなる理由でしょうか。本庁舎は災害時に、最も早く復旧しなければならないから、というのは、区民に対する理由にはなりません。

現在、整備中の玉川総合支所は、支所本体と併設する区民会館は、同様の耐震性を確保しているのです。区の基本的姿勢が疑われます。お考えを伺います。

松村庁舎整備担当部長

区では、ホール部分の耐震診断を行い、その速報値と耐震補強改修によりⅡ類相当の耐震性能が確保できるかの一次的な検討の結果をご報告させていただきました。

これは、東京都の構造設計指針におきまして、災害応急対策活動に必要な施設や多数の者が利用する施設等は、Ⅱ類とすることが定められており、用途の例としましてホール施設が示されていることから、まずは、それに対応できる施設になるかを検討したものでございます。

今後、区民会館ホールにつきましては、さらなる安全性を目指し、Ⅱ類相当以上の耐震性能の向上について検討を進め、検討状況を区議会にご説明しながら、11月に世田谷区民会館整備方針を策定してまいります。

一方、本庁舎につきましては、同指針でⅠ類とすることが定められております災害応急対策活動に必要な施設のうち、特に重要な施設であり、大規模地震発生直後から、速やかに災害対策本部等として機能させ、区内の災害対応を迅速に行う必要があり、構造体Ⅰ類を確保することとしたものです。

今後とも、区民の安全を確保し、災害時も十分に機能が発揮される本庁舎等として整備をしてまいります。

たま子コメント

この答弁では、やはり、職員が第一で、区民はその次ではないか、という、素朴な質問に答えられません。

行政の仕事は、安全だけでなく、安心についても、充分な配慮が必要なのです。

私は、区民の代表の議員として、区民会館の耐震性能について、隣接する本庁舎よりも、低くて良い、という、区の見解には、反対です。

 

小泉質問

区長召集挨拶において、「将来にわたり行政だけで充分なサービスを提供し続けることは困難として、地域コミュニティと住民同士の相互扶助の再構築を図る必要がある」と言われました。

区長は、地域の中で最も重要な役割を果たしている、区民センターと児童館について、全く言及されないのは、いかなる理由でしょうか。

区がまず行うべきことは、再構築ではなく、地域で区民と区が協働で行っている活動を正しく評価し、それを、区民と共に、推し進めていくことです。

区民センターの区民と行政の協働活動を正しく評価すること、さらに、区民センターの設置が明らかに偏っていることについて、どのように考えているか、今後、どのように改善しようとしているか、伺います。

志賀地域行政部長

運営協議会が展開する区民主体の多様な活動の促進を図り、それらの活動が多面的に結びついていくことが重要であり、その意味では、区民センターは、地域住民のコミュニティ活動に不可欠な施設と考えております。

また、多くの区民センターには、児童館や図書館が併設されており、その役割に応じて様々な事業を展開していることから、複合施設としての強みを生かしたコミュニティ活動の推進が求められていると認識しております。

現在、公共施設等総合管理計画において新たな区民センターを建設する計画はございませんが、各区民センターが地域コミュニティ活動の核としてより一層機能するよう、まちづくりセンターと連携し事業を展開するとともに、区民による施設運営の関与の仕組みづくりについても、コミュニティ活動を行う場の拡充を含め、検討してまいります。

たま子コメント

質問に全く答えていません。区民センターは、地域住民のコミュニティ活動に不可欠な施設、と言っておきながら、今、存在しない地域には、作りません、とは、一体、いかなる基本的な考えなのか、全く、不可解です。

 

小泉質問

児童館については、一昨日の副区長答弁で、これまでの児童館の相談機能等を的確に評価され、各まちづくりセンター管轄ごとの整備を進めることが明らかとされ、評価いたします。

さらに、まちづくりセンターとの連携をより強め、地区地域で顔の見える関係づくりが大切と言われましたが、従来から申し上げている、児童館を総合支所に移管させることを一刻も早く、実現させるべきです。区のお考えを伺います。

澁田子ども・若者部長

児童館の組織のあり方を検討するに当たっては、ソーシャルワーク機能を強化する観点から、児童館の役割や子ども家庭支援センター等の総合支所とのかかわり・位置づけなどについて明確にするとともに、その内容を職員等関係者で共有し、検討を進めることが重要であると考えております。

そのためには、児童相談所の移管に当たり、本年7月に具体的な内容を定めるとして検討を進めております、子ども家庭支援センター事業や要保護世帯、児童虐待に関する事務事業等の執行体制の再編の内容と整合を図る必要があると考えております。児童館の組織につきましては、これらの検討結果や外部委員による児童館のあり方検討等を踏まえて、検討を進めてまいります。

たま子コメント

目黒の虐待事件についても、地域・地区での、見守りあう仕組みづくりこそが、予防となるものです。そのための実働部隊である、児童館はなんとしても、総合支所に移管すべきものです。

 

小泉質問

三軒茶屋は、単なる広域生活文化拠点としての位置づけだけではなく、世田谷の正面玄関として、区のこれまでの歴史を受け止め知っていただく、そしてこれからの世田谷の歩むべき道、あるべき姿を指し示す、という観点から、総合的なまちづくりに取り組んでいくべきと考えますが、お考えを伺います。

渡辺都市整備政策部長

区では、本地区の位置づけを踏まえ、地区の将来像を示すグランドデザインとして、まちづくり基本方針の策定に着手し、現在、有識者検討委員会を開催し、地区の現状分析の上、三軒茶屋らしさを活かした将来像を幅広く検討しているところでございます。

街の歴史を大切にしながら課題である交通結節機能の強化や、駅前に人が集える空間の確保など、三軒茶屋の街に足りないものを補い、また、さらなる文化の充実を目指し、玄関口としての広域生活・文化拠点としてふさわしい将来像を示すまちづくり基本方針を策定してまいります。

たま子コメント

三軒茶屋というものは、言ってみれば、世田谷区の原点でもあると思われます。大きな観点から、三茶のまちづくりに取り組むべきです。

 

再質問

宮崎副区長は、一昨日の答弁で、児童館と子ども家庭センター、そして、まちづくりセンターこの三者の連携をより強化、連携を強めると言われました。児童館の担当所管を総合支所に移管することについて宮崎副区長の、大所高所からの決断を求めたいと思いますがいかがでしょうか。

宮崎副区長

総合支所におきます執行体制について見直しを検討させていただいております。その中で、組織、人事、財政の観点についての検討も必要となってきています。子どもや子育て家庭に対して総合的に支援する組織体制として判断をさせていただくものと思っております。

たま子コメント

この宮崎副区長答弁は、事態を深刻に捉え、実現に向けた取り組みを開始していく思いを表明されたものと、思います。

今後、さらに、期待していくことといたします。

 

再質問

区民センターの偏在化については、世田谷区の将来に渡り、児童館以上に問題となるべきものです。

岡田副区長に、区民センター全区整備への展開についてのお考えを伺います。

岡田副区長

区民センターの立地に地域偏在があるというご指摘は、その通りでございますが、公共施設総合管理計画を基本に、地域コミュニティの核として機能する施設のあり方について、施設運営のあり方を含め、考えてまいりたい。

たま子コメント

区民センター、全区展開整備は、今後の区政運営にあたり、避けて通れないもの、と認識しています。

今後とも、区の姿勢を見守ってまいります。

 

以下は私の質問原稿のままお伝えします。

小泉質問

質問に入る前に一言申し上げます。

議会招集挨拶は、区長として、区行政全体の基本的方針を議会と区民に向けて表明されるものです。

私は疑問を持ちます。

一昨日の召集挨拶で、目黒での児童虐待死について、なぜ、きちんと触れられなかったのか。

議会の質疑の中で感想を述べられるだけでよいのか。

これが90万世田谷の責任者の態度でしょうか。

余りにも、区役所全体が意識が低い、そう思わざるを得ません。

 

区長は、召集挨拶で、「未来を見すえた行政手法による改革を着実に進める」とされました。

業務の外部委託、AI等の活用による業務の効率化、事務分析や改善の手法の確立、内部事務の見直し、重複事業の整理を行う、とされました。

これらの取り組みは、当然、新庁舎整備において、成果となるべきものです。

しかし、同じく召集挨拶の本庁舎整備の項目では、この改革について、一切触れられていません。

区は、「本庁舎整備」と「未来を見すえた行革」とは、全く別のものと考えているのです。全くの縦割り行政です。

先日、区から、本庁舎等整備にかかる主な調査結果が報告されました。

これを見て、基本的姿勢を疑いました。

「会議室の規模と必要数を、現在の会議の実態から算出した」

「相談スペースの規模と必要数を、現在の相談の実態から算出した」

「必要な窓口数を現在の窓口で対応する業務の実態から算出した」とされるのです。

疑問に思い、担当部門に、会議や相談、窓口のあるべき姿はどのように考えているのかと伺っても、答えがありません。

「未来を見すえた行革」と「本庁舎整備」が全く別々にうごいているのです。

何を考えているのですか

はっきり申し上げましょう。

会議室が足りないのではなく、会議が多いのです。

相談がなぜ多いのか、なぜ、本庁の窓口まで区民がわざわざ来なければならないのか、それを考えていません。

職員の執務スペースが足りないのではなく、職員が多いのです。

区は、あるべき姿を考えようとしていません。

現状を分析することは大切なことですが、それは問題を解決する、という目的があればこそです。

区は、その本質的な問題を解決しようとしていません。

現状を眺めているだけなのです。

このようなことで、新庁舎が作れるとは到底思いません。

あるべき仕事の姿を考えないで、なぜ、あるべき庁舎の形が考えられるのですか。

 

さらに今回、庁舎を訪れた人の庁舎内での訪問先、いわゆる来庁者動線調査を行っています。

この調査が何の役に立つのでしょうか。

今、必要な調査は、区民が、まちづくりセンターに行き、そして、総合支所に行ったけれども、問題が解決できず、やむを得ず、遠い本庁舎に交通機関を使って来ざるを得ない、そのような事例がどうなっているか、これを調べずして、本庁舎に来た区民の動線を調べる、というのは、全く、税金の無駄使いともいえるものです。

地域行政の展開も踏まえた本庁舎のあり方、という観点が、今の区には、圧倒的に不足しています。

 

今回の本庁舎整備については、基本的理念が全く感じられません。

本庁舎の正面玄関がないではないか、と指摘すると、何の考えもなく、最も来庁者が通るところを正面玄関とする、とされます。

それが、なんと、区民会館の入り口の隣です。

区は、90万世田谷の正面玄関というものをなんとも考えていないとも思われますが、お考えを伺います。

さらに、その正面玄関の隣の、区民会館の耐震性が、本庁舎と異なる、というのは、いかなる理由でしょうか。

本庁舎は災害時に、最も早く、復旧しなければならないから、というのは、区民に対する理由にはなりません。

現在、整備中の玉川総合支所は、支所本体と、併設する区民会館は、同様の耐震性を確保しているのです。

区の基本的姿勢が疑われます。

 

区長召集挨拶において、「将来にわたり行政だけで充分なサービスを提供し続けることは困難として、地域コミュニティと住民同士の相互扶助の再構築を図る必要がある」と言われました。

「再構築の必要性がある」とは、現実を見ていない論議です。

区長は、様々な事例を示されましたが、地域の中で最も重要な役割を果たしている、区民センターと児童館について、全く言及されないのは、いかなる理由でしょうか。

区がまず行うべきことは、再構築ではなく、今、実際に地域で区民と区が協働で行っている活動を正しく評価し、それを、区民と共に、推し進めていくことです。

思いつきのように、新しいことを声高らかに言うことは、見た目は良いですが、実際に地域で既に活動されている方からは、疑問がでてきて、地域の分裂のきっかけともなるものなのです。

まずは、区民センターの区民と行政の協働活動を正しく評価すること、さらに、区民センターの設置が明らかに偏っていることについて、どのように考えているか、今後、どのように改善しようとしているか、伺います。

さらに、児童館については、一昨日の副区長答弁で、これまでの児童館の相談機能等を的確に評価され、各まちづくりセンター管轄ごとの整備を進めることが明らかとされ、評価いたします。

さらにその副区長答弁の中で、まちづくりセンターとの連携をより強め、地区地域で顔の見える関係づくりが大切と言われましたが、それであるならば、従来から申し上げている、児童館を総合支所に移管させることを一刻も早く、実現させるべきです。

 

三軒茶屋まちづくりについて伺います。

本庁舎問題でも申し上げましたが、正面玄関がいかに大切なものか、区はほとんど理解しません。

便利な通用門がたくさんあれば良し、とする立場です。

私は、違います。

個人の家であれ、一つの建物であれ、自治体であれ、正面玄関はとても大切なものです。

そこで、その家庭なり組織なり自治体がどれだけしっかりしているか、おもてなしの心を持っているかがわかるのです。

三軒茶屋は、単なる広域生活文化拠点としての位置づけだけではなく、世田谷の正面玄関として、区のこれまでの歴史を受け止め知っていただく、そしてこれからの世田谷の歩むべき道、あるべき姿を指し示す、という観点から、総合的なまちづくりに取り組んでいくべきと考えますが、お考えを伺います。

 

本庁舎整備問題については、余りにも検討のレベルが低く、私は、今の建設案、取り組みの方法では、次の世代の区民、職員へ説明がとてもできない、そのことから、賛成できないということを表明しておきます。

両副区長にお伺いします。

宮崎副区長は、一昨日の答弁で、児童館と子ども家庭センター、そして、まちづくりセンターこの三者の連携をより強化、連携を強める、と言われました。

また、区長は、児童相談所、子家庭センター、児童館をひとつながりのものともいわれたのです。

ここで、児童館の担当所管を総合支所に移管することについて宮崎副区長の、大所高所からの決断を求めたいと思いますがいかがでしょうか。

さらに、区民センターの偏在化については、世田谷区の将来に渡り、児童館以上に問題となるべきものです。

岡田副区長に区民センター全区整備への展開についてのお考えを伺います。

受け止める、その姿勢が必要だと申し上げておきます。