第4回定例会での一般質問

一般質問 (12月1日)

小泉質問

九月の決算特別委員会の質疑の中で、自民党の幹事長より、地域行政の改革についてこう変えるべきという共通認識が庁内にない。これでは制度改革しようにもできないのではないかという懸念、指摘がありました。まさにその指摘が現実のものとなりました。今回示された条例素案では、本庁の在り方の変化や、地域経営に責任を持つ総合支所の在り方については何ら書かれていません。疑問です。

さらに、区長は地区を重視すると言われ、地区の行政拠点が生活基盤を支援するなくてはならない場と言われていますが、しかし、条例素案において示されているのは、地区のまちづくりセンターのことだけです。区長や区は、まちづくりセンターが区民に最も身近な行政機関と言われますが、現状間違いです。まちづくりセンターの利用者数は、児童館利用者数の三分の一以下、あんしんすこやかセンター利用者数の六割程度です。

児童館は、公明党の提案により、全地区においての整備が進み、地区における子育て支援の中核組織の役割を果たしていく可能性があり、また、あんしんすこやかセンターは、区の努力により全地区に整備が完了しているのです。これらをなぜ条例上明らかにしないのか。区民の日常生活の支えともなり、膨大な経費を費やしているはずと伺うと、地域行政部門としてはまちづくりセンターを考え、そのほかはそれぞれの所管が担当することのようです。今回の条例案は、まさに地区に縦割り行政を持ち込むものです。今の素案は、一つの担当部が作成したまちづくりセンター機能充実条例でしかありません。ですから、これが果たして条例に値するかという議論が出てくるのです。全面的に見直すべきです。お考えを伺います。

今回の地域行政の検討が単なる一部門の検討課題となり、地区の区民生活を支える総合的な姿を描けていないことが大きな問題です。担当部が区民生活領域にいることの限界です。全体のシナリオを描くのは無理と言わざるを得ません。DX改革も同様で、担当部門の課題として、単なる事務改善の一環でしかないという意識では何も変わりません。全庁を挙げたDXの成果が地域行政制度の仕組みを通じて区民に還元される、このような筋書きがあるはずです。そのことが全く示されない。その原因は責任者不在にあると考えます。今後、全庁、全職員の意識を改革し、あるべき姿を共有し、一丸となって改革に向かっていくか、その真の責任者がどのような指揮命令をするのか、その具体の方策を伺います。

区を挙げたワンストップサービスの実現は、区民に時間を返す改革の一環であり、全ての分野に適用されるものです。ところが、この間、地域行政担当に伺うと、自分たちが担当するのは、まちづくりセンターでのワンストップサービスの実現であり、そのほかの窓口は、自分たちの所管ではないというようなことのようです。一体全体、地域行政とは何なのでしょうか。区を挙げたワンストップサービスの実現の責任者は誰であって、どのように全庁的体制を取り、その実現を図っているのか伺います。

地域行政条例は、議会が議決し責任を持つものですが、一方、地域行政推進計画は、行政計画として区が責任を持って実行していくものです。計画策定に当たっては、目標の設定、目標を実現するに当たっての様々な課題の分析、整理、取るべき戦略、手段の選択、それを達成するための人材確保、これを支えるための予算を明らかにするなど、区を挙げての取組が必要ですが、実際どのように検討され、来年二月に計画素案を出されるのか、責任者が誰であって、どのように進められるのか、伺います。

次に、参加と協働というテーマの条例上の位置づけについて伺います。

今回の条例素案の前文において、参加と協働を土台とした共創による地域づくりとありますが、疑問です。突如現れた共創、共に創る、つくるは創立記念日の創と書くのですが、この新たな言葉は何を意味しているのか。参加と協働と新たに示された共創とはいかなる違いがあるのかお答えください。

地域行政推進条例はあくまでも行政の仕組みであって、区民参加や区民との協働については、改めてしっかりと区民と向き合う中でつくり出していくべきと考えます。参加と協働はとても耳触りのよい言葉ですが、この言葉を区民に向かって言う前提として、区の役割、姿勢、区がやるべきことをはっきりと区民に示すべきです。それなくして、地区などでまちづくりを協働でやりましょうと言うのは、区の責任逃れ、責任回避と言わざるを得ません。さらには、区民の間に分断を生じかねさせないことは、様々な開発などで経験済みのことです。区民が混乱するばかりです。見直すべきと考えますが、区のお考えを伺います。

区の将来を見据えた予算の組立てについて伺います。

区の都市整備部門の日々の取組を評価いたします。必ずしも全ての区民の方々から感謝されるとは限らない事業についても、区の将来を見据えて黙々と仕事に取り組む態度は誠に望ましい姿です。問題はこの都市整備部門の予算上の在り方です。

過去二十年の一般会計予算に占める土木費の比率は、平均一二%弱、最高が平成二十一年の一六・六%、最低が令和三年度の七・七%です。金額では、最大が平成二十一年度の約四百億円、最少が平成二十五年度の約二百三十億円です。この二十年間で、金額、比率とも二倍程度のぶれがあります。自治体の責務として、将来にわたって区民の生命と財産を守る課題があり、土木費の比率、金額は最も長期的な観点から安定して確保されるべきものです。災害対策も含め、都市整備部門についてはもっと予算を投じ、スピードアップを図るべきであり、その基本として、予算額は将来に向けてどの程度が適正な水準と考えるのか伺います。

コロナ禍後の区民生活の在り方について伺います。

九月議会において、私は、コロナ禍が区民の生活の全般にどのような影響を及ぼすか把握し、総合的対策を講じる体制の確立などの具体的な姿を見せるべきと質問し、答弁をいただきましたが、その後何らの対応が見られないことから、改めて質問いたします。

まず、コロナ禍での外出自粛により、高齢者を中心とした行動弱者、活動弱者については、緊急事態解除後においても、従来のような活動ができない、ひきこもりとなり、認知症予備軍となりかねません。このような高齢者をはじめとする行動弱者への積極的働きかけが今必要と考えます。区のお考えを伺います。

さらに、この外出自粛、在宅勤務などの影響により、バス利用者が減少したことから、区内においてバス運行廃止の動きがあります。今言いましたとおり、コロナ後に向けて、高齢者をはじめ多くの区民が活動を再開しようとしている時点でのバス路線廃止は、寝耳に水と言わざるを得ません。バス事業者の意向とは別に、区民の自由な活動、行動を保障、支援するべき自治体として責任を持った対応をすべきです。さらに、当該地区においては人口が急増し、最寄りの小学校が来年度は七クラスになるという事態も発生しています。このことはバス事業者は御存じなかったのですが、これは地元自治体の情報提供不足と言わざるを得ません。区民の生活を守る観点からの区のお考えを伺います。

以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)

岩本 副区長

私からは、地域行政の条例化につきまして、地域行政の検討が総合的な内容になっていない、全庁課題になっていない、また、DXの推進やワンストップサービスの実現に向けて、責任者は誰で、どのような体制をつくっていくのかといった御指摘について御答弁申し上げます。

地域課題が多岐にわたり複雑化する中で、区は区民生活の視点から総合的に課題を捉え、分野を超えた施策を組み合わせるとともに、行政サービスやまちづくりにおけるDXを推進し、地域課題の解決を図ることが求められていると認識しております。このため、(仮称)地域行政推進条例については、まちづくりセンターの窓口機能やまちづくり機能の充実と、デジタル技術の活用を一体的に捉えて、組織横断的な体制の下で検討しており、地域行政の目指す具体的な姿を広く庁内で共有し、総合支所、本庁における業務の見直しも進めてまいります。

特に行政サービス改革においては、区の様々な窓口業務の見直しの視点が不可欠であることから、まちづくりセンターの窓口と総合支所、本庁をつなぐ仕組みやデジタル化する手続、様々な相談業務について、デジタル部門と緊密に連携し、両副区長の下で全庁を挙げた体制により検討を進めてまいりたいと考えてございます。

舟波 地域行政部長

私からは地域行政推進条例に関して三点御答弁申し上げます。

まず、地域行政推進計画の検討とその体制についてでございます。

地域行政の推進計画につきましては、(仮称)地域行政推進条例に基づきまして、地域行政制度の充実に向けた基本的な考え方や方向性を明らかにし、施策の内容や実施時期等について定めるものでございます。まちづくりセンターのまちづくり支援や窓口業務の在り方につきましては、この間、まちづくりセンター所長や総合支所の管理職との意見交換、若手職員によるコミュニティーに関する検討、また、区議会での御議論や区民等との対話を通じましてまちづくりセンターの課題を抽出し、望まれる姿を構想しながら、副区長をトップとした庁内検討体制において検討を進めてまいりました。来年二月にお示しする予定の推進計画素案では、区が取り組む施策の方向性や当面取り組む具体的な内容のほか、令和六年度以降の次期基本計画やDX推進と整合を取った重点的な取組方針をお示しして、条例素案と併せて広く区民の方にも分かりやすく説明し、条例計画づくりを進めてまいります。

続きまして、行政の仕組みとしての地域行政条例と参加と協働の考え方についてでございます。

区は、基本構想におきまして、一人でも多くの区民が区政や公の活動に参加することができることをビジョンの一つとして掲げ、現行の基本計画において、参加と協働を区政運営の土台に据えてまいりました。基本構想や基本計画の実現に向けましては、きめ細かい地域行政を展開するため、区民に身近な総合支所やまちづくりセンターにおいて、区民が区政に参加する機会を数多くつくる取組を進めなければなりません。このため、(仮称)地域行政推進条例では、全ての区民が必要とする行政サービスを利用し、受けることができる環境、執行体制等を整備するとともに、区民等が主体的にまちづくりに取り組むための支援の拡充、また、区民が区政に関する意見を述べ、区政への参加が図られる環境の整備に努めることについて、区が責任を持って進める観点から規定してまいります。

最後に、参加と協働を土台とした共創についてでございます。

区は、日常的に区民の声を伺うシステムを設けるとともに、パブリックコメントやワークショップの実施などにより、多様な区民の意見を事業計画や施策の実施に生かしてまいりました。また、町会・自治会の活動をはじめ、身近なまちづくり推進協議会など、区民主体の取組を支援し、また、大学との連携やNPO等を対象とした提案型協働事業の実施など、協働によるまちづくりの推進にも積極的に取り組んでおります。しかし、地域社会の急激な変化や地域コミュニティーの新たな価値が見直される中で、複雑化する地域課題に対しましては、取組や解決策を区民や多様な主体と対話し、知恵を出し合い、課題解決を図るとともに、町の新たなにぎわいや魅力を共につくり出す共創によるまちづくりが求められていると考えております。

共創によるまちづくりに向けましては、区は、区民や民間事業者など、多様な主体の交流の機会を率先してコーディネートするとともに、DXの推進によるまちづくりの活動の効率化、負担軽減も支援しながら、まちづくりセンターを核として、町の将来像を構想した地域づくりを進めてまいります。

加賀谷 政策経営部長

私からは、都市基盤整備費の予算額、適正規模等についてお答えいたします。

公共施設等総合管理計画一部改定におきまして、建物、都市基盤整備経費を合わせまして年間五百八十億円程度を財政目標としており、この財源として、起債、基金の適切な活用を見込んでございます。このうち、都市基盤整備費は年間百八十億円程度を財政目標とし、各年度ごとの対象案件や事業量などを所管部と調整しながら、必要な予算を計上しております。また、毎年度の予算査定では、都市基盤施設の安全性や緊急性、事業進捗などを十分に考慮し、実施時期を調整しながら、当初予算だけではなく、補正予算も含めて対応を図ってきてございます。今後とも百八十億円の財政目標を基本にしつつ、国・都の財源や繰越財源を活用し、補正予算による前倒し対応や、複数年度予算の考え方による発注時期の平準化なども行いながら、都市基盤整備のスピードを緩めることのないよう、必要な予算を確保してまいります。

片桐 生活文化政策部長

私からは、コロナ禍の区民生活の在り方、高齢者の支援についてお答えいたします。

区では、高齢者がいつまでも生き生きと暮らせるよう、地域での学びや仲間づくりをサポートしていくことが区としての重要な役割であり、高齢者生きがい講座や生涯大学をはじめ、各総合支所や教育委員会などの事業として、高齢者向けの各種講座などを実施しているところです。お話にもありましたコロナ禍で外出できなくなった方や、元気であっても学びの意欲が低下した方などをはじめ、高齢弱者の方々が身近な地域で改めて学びや様々なことにチャレンジすることができるよう、現在、区で取組を進めております高齢者の地域参加促進施策の居場所づくりの中で、今後、庁内関係所管と連携し、高齢者の志向の多様化なども踏まえながら、手法の検討を進め、生きがいづくりを推進してまいります。

田中 道路・交通計画部長

私からは公共交通における今後の区の取組についてお答えいたします。

バス路線は、区民の生活に欠かせない公共交通の一翼を担っていることから、これまでは利用者への配慮などから、路線単位での収支状況のみで判断することなく、バス事業者の全体の収支に基づき、路線全体が維持されてきたものと理解しております。しかしながら、新型コロナウイルスの影響により需要は減少し、現時点でもテレワークなどの普及により、コロナ前までの回復が見通せない状況を踏まえ、バス事業者の総合的な経営判断から、路線再編などによる収支改善の取組が行われております。

一方、コロナ後の将来を見据え、区民生活を支える公共交通機関のネットワークを充実させるためには、バス路線などの基盤となる道路整備に計画的かつ着実に取り組む必要がございます。区といたしましては、誰もが快適に安全安心な移動ができる世田谷の理念の下、交通まちづくりの総合的な視点に立ち、誰もが移動しやすい交通環境の確保や、交通ネットワークの充実に向けて取り組んでまいります。

小泉質問

再質問します。

失望しています。通告をした質問に的確に答えていないという以前に、今の区には全く意欲というものが感じられません。あるべき姿を考えることをせずに、自分の範囲内でできることだけをやろうとする。先進事例を見て、できることしかやらないのは今の区の姿勢ではないですか。招集挨拶と実務の間に隔たりがあるように見えてなりません。区がばらばらになっていく危機感も感じます。

地区に縦割り行政を持ち込まない。地区で区民の生命と財産を守る仕組みをつくる。地区から大都市世田谷の行政の在り方をつくり直していく。これが今求められているはずです。前も申し上げましたが、区民は区役所を選べない。区は区民の信頼を受け、全力で課題に立ち向かうべきなのです。どのようにその音頭を取り、職員の意識を高め、心を一つにして課題に挑戦していけるのか、お考えを伺います。

舟波 地域行政部長

再質問にお答えいたします。

地域行政推進につきましては、この間お示ししておりますけれども、まず地区の重視ということを大前提として考えたいと思っております。そのために、地域行政推進条例の中では、地区の充実策といたしまして、まちづくりセンターの強化というところを中心に据えております。また、このまちづくりセンターの強化につきましては、まちづくりセンターが単体で行うものではなくて、やはり地区のいろいろな方々の力を借りながら、ともに町をつくっていくということがやはり必要なことだろうと思っております。そのために、今後、地域行政推進計画において具体的な取組をお示ししながら、町の方々との理解も含めていただきながら進めてまいりたいと考えております。

小泉質問

同じ質問を副区長にしたいと思います。担当の副区長はどう考えるんですか。

岩本 副区長

児童館、あんしんすこやかセンターの利用者の数の御指摘をいただきました。まちづくりセンターにいらっしゃる区民の方よりも多いといった御指摘をいただきました。前回、他会派からの御指摘で、まちづくりセンターの課題を解決する組織にならなくちゃいけないといった御指摘もいただいております。まさに区民生活を今後支えていく中で、地区の拠点としてまちづくりセンターはどういう役割を果たすべきか、現在もいろいろ様々機能を果たしていますけれども、地区の拠点として充実強化していくということを目指して、今条例化の議論をさせていただいているところだと考えております。

様々の御指摘をいただいておりますけれども、身近な相談の窓口というコンセプト、スマートフォンの操作支援とかありますけれども、幅広く区民生活を支えるような機能をどうやって備え、かつ人材を配置していくかというところがテーマだと思っていますので、条例化に向けてより具体的な姿をお示しできればと考えているところです。