第3回定例会での代表質問

代表質問 (9月16日)

質問

小泉質問

区としての基本姿勢を伺います。

今回のコロナ禍災害、自然災害などを踏まえ、今後、世田谷区は、区民の生命と財産を守る、地域最大のサービス産業であることを区民に表明すべきです。区は独占産業です。民間企業は自由競争の中で選択され、選ばれなかった企業は撤退していく、この切磋琢磨の中で、結果としてサービス向上が図られます。しかし、区はその選択にさらされていない。区民は区役所を選べません。地域社会の在り方に責任を持つ自治体は、他人に言われるのではない、他人をまねするのではなく、自らを厳しく律して、自らの創意工夫と責任で区民サービスの向上に努めなければなりません。その意気込み、決意が、果たして今の区政にあるのか、疑問です。お考えを伺います。

九月九日夕刻、総理記者会見が開かれました。質問通告の後であり、直接の質問とはいたしませんが、区とも大いに関係があることから、ここで申し述べます。

感染症対策について、総理が、厚労省をはじめ省庁間の縦割りがあって柔軟な対応が難しいと、一体誰が責任者なのかよく分からない、驚くような発言があったのです。さすがに記者も気がついて、どこに問題があるのかと質問しました。それに対して総理は、国の省庁の縦割りと対策本部の在り方を言われた後、国と自治体との壁がある、保健所の在り方に問題があった、保健所に対して厚労省から直接指揮できない、東京都からもできない、東京二十三区の保健所は二十三区の管轄になっているからと言われたのです。

世田谷区の保健所職員をはじめ、各区保健所の職員は、それこそ必死になって仕事に取り組んできたはずです。それぞれの地域の実情に応じてです。それを国のトップが、各自治体の保健所が国の指示を聞かないことが問題だと言わんばかりの言い方については、大いに疑問を持ちます。

そして、このことは世田谷区にも言えます。組織のトップと第一線現場は密接な連携関係にあるか、いざというときに一丸となって、果敢に問題解決に取り組める仕組みになっているかです。

今回、区長招集挨拶において、ワンストップサービスの実現を宣言されたことを評価します。挨拶で、まちづくりセンターにおいて、ワンストップサービスを実現し、職員のアドバイスによって広範囲の行政サービスへのアクセスが可能となるとされました。職員のアドバイスによってということは、区民が望むことであり、また、広範囲の行政サービスへアクセスが可能となるとのことですが、その実現に向けてどのような仕組み、手順を取っているのか、お伺いします。

さらに、DX改革の進展によって、定型的な反復事業が自動化され、窓口業務は丁寧な相談や案内という区民とのやり取りに比重が移っていくとされていますが、では、今後の最先端窓口の将来像、到達点をどのように考えているか、伺います。

今後の地域行政については、地区を重視すると言われます。その象徴としてのまちづくりセンターの充実を言われますが、地区にはそのほかに、児童館、保育園などの保育施設、特養やグループホームなどの高齢者施設、区民センター、地区会館などの集会施設が存在しています。今後は、まちづくりセンターという単体ではなく、地区拠点の充実を明言し、さらに、そこには地区の責任者の存在を明らかにするべきです。お考えを伺います。

さらに、今後の地域行政を根本とする行政の改革に当たっては、まず、災害対策、危機管理体制の確立があり、日常時においても、それらの体制が機能している、それが区民にも明らかになっている。このような取組をすべきです。区のお考えを伺います。

コロナ禍に対する区の姿勢について伺います。

現在のコロナ禍の中、各所管が自ら努力していることを評価します。特に、最前線の職員の方には感謝をいたします。しかし、今必要なことは、今後の区政運営をどのようにしていくか、どのようなビジョンを持って大都市世田谷を導いていくかということであるはずです。今の区はあまりにも対処療法行政にすぎません。

招集挨拶で、全ての政策、施策、事業について、コロナ禍を克服していく視点で見直すとされました。コロナ禍が区民の生活の全般にどのような影響を及ぼすか、これを全体として把握し、総合的対策を講じる体制の確立、そして明確なビジョンの提示、そして各所管との連携の在り方について具体的な姿を見せるべきです。お考えを伺います。

産業振興とその具体策について伺います。

産業振興基本条例の改正が提案されています。条例名を、世田谷区地域経済の持続可能な発展条例とすることに疑問です。地域経済の持続可能な発展については、区政全体で担うべきです。その中で事業者、区民、地域が産業という観点からどのように取り組むか、そして、行政の産業部門がどのように支援していくかを、今回の条例で明らかにすべきです。お考えを伺います。

全てを包み込むような条例にすると、個別の施策の具体的目標は何で、誰が責任者で、行政の役割は何であるかが分からなくなります。その典型が今回の旧池尻中跡地活用問題です。

条例改正案によれば、地域経済の持続可能な発展イメージに様々な具体的な施策が盛り込まれていますが、その中には一切、旧池尻中跡地活用は含まれていません。一方、今回示された世田谷ものづくり学校の事業評価、検証などの報告、そして、旧池尻中跡地活用に係るサウンディング型市場調査報告の両者とも、今回の条例改正との関連が全く見えません。

今回のサウンディング調査を担った民間事業者からの意見、提案の資料を見ても、条例との関係については全く言及がありません。当然のことです。このサウンディング調査の実施要綱を見ると、条例のことなど一切触れられていないのです。ですから、各事業者が条例について全く意識しないで提案しているのです。事業者の責任ではありません。区が示した基本コンセプトの第一が、校舎、体育館、校庭を一体感を持って区民に開かれた空間だからです。疑問です。

サウンディング事業者から、校庭と体育館の活用提案がありますが、これは区全体の参加と協働の観点からは、まず初めに、それぞれの専門である総合支所や生活文化政策部、そして、スポーツ振興部門などとの連携を考えるべきことです。これらのことから、産業振興基本条例の見直しと、旧池尻中跡地活用の全面見直しを求めます。お考えを伺います。

図書館問題について伺います。私は、所管の基本的姿勢に問題があると感じます。教育委員会は、図書館が区の基本計画において、知の拠点として位置づけられていることを明確に意識しているでしょうか。この間の区議会での論議を受け止めていますか。さらには、コロナ禍を超えるための地域行政の展開とDX改革の動きを理解しているかということです。区の基本計画で言う知の拠点づくりはどこに行ったのですか。

第三期行動計画策定に当たっての修正が、障害者、高齢者など、多様な利用者へのサービス充実の必要性だけになっていることが疑問です。図書館を取り巻く状況は大きく変化しています。相変わらず貸出業務などを主体とし、図書館カウンターの増設などを図書館行政の柱とすることは疑問です。

図書館カウンター機能は、地区のまちづくりセンターが担い、DX活用により、貸出相談などもできるはずです。抜本的な見直しと、それによるビジョンの再構築を行うべきです。お考えを伺います。

私は、このところの区政運営に疑問を持ちます。世田谷ゆかりの吉田松陰の言葉です。夢なき者に理想なし、理想なき者に計画なし、計画なき者に実行なし、実行なき者に成功なし。ゆえに、夢なき者に成功なし。今の世田谷行政には全く夢が感じられません。とすると、吉田松陰の言葉によれば、成功がないのです。このようなことでよいのか、そのことを申し上げ、壇上からの質問を終わります。(拍手)

岩本 副区長

私からは、区の危機管理体制が行政制度の基本である、区民にしっかり示すべきとの御指摘について御答弁申し上げます。

区民の生命と財産を守ることは区政の基本であり、現在の世田谷区政策方針にも位置づけ、最優先に取り組んでまいりました。しかしながら、近年の風水害の激甚化や特殊詐欺、新型コロナウイルス感染症拡大など、これまでにない様々な危機から区民を守るためには、危機発生時の迅速な対応や、平時から危機を想定した情報発信、予防や対策に大きな危機感を持って取り組まなければならないものと考えております。日頃からの防犯活動や水防組織など、世田谷区では地域行政制度を基礎に、地域や地区ごとのきめ細かな体制で臨んでおり、今後の地域行政の展開においても、区民の皆様に行政の責任をしっかり示し、理解いただけるよう取り組んでまいります。

一方で、災害対策や安全安心の取組を進める上で、地域コミュニティーを基本とした区民同士のつながりが不可欠です。まちづくりセンターが顔の見える関係づくりや、担い手の交流を支える取組など、コミュニティー醸成に向けてしっかり取り組むことで、安全安心を感じていただける地域づくりにつなげていきたいと考えております。

舟波 地域行政部長

私からは、地域行政に関しまして御答弁いたします。

まず、地区の拠点の充実、地区の責任者についてでございます。

地域行政に関する条例の検討では、まちづくりセンターが町会・自治会をはじめ、地区で活動する多様な方々の交流の機会を広げ、顔と顔の見える関係づくりや地区の担い手との交流と活動の促進を支えたいと考えております。また、地区の担い手の方々がこのような取組を地区課題の解決につなげ、経験を積み、まちづくりに携わる区民や活動団体の輪を広げることが、地区の充実につながるものと認識しております。

地区全体で課題解決を図るために、町会・自治会や商店街、身近なまちづくり協議会や区民センター運営協議会、さらには学校やPTA、児童館、図書館など、地区で活動する多様な主体や、区民一人一人が地区の状況に応じて、あわせて、密接に連携している町となることを目指しております。

顔と顔の見える関係の下に、地区の方々が町の将来像を共有し、主体的にまちづくりを進めていけるよう、まちづくりセンター所長は、まちづくりのコーディネート機能を持つまちづくりセンターの責任者として、人と人を結びつける中心となり、リーダーシップを発揮してまいります。

続きまして、まちづくりセンターのワンストップサービスの実現に向けた手順、DXが進む中での窓口の将来像について御答弁申し上げます。

区のDX推進方針では、区民の視点からの行政サービスの変革を掲げ、全ての区民にとって行政サービスの選択と利用のハードルを下げ、快適なサービス利用をデザインすることとしております。

地域行政の条例に関する検討状況では、まちづくりセンターにおける行政サービスの提供機能の充実強化に向け、行政手続や相談業務のデジタル化への対応と、その前提となる通信インフラの整備など、必要な措置をお示ししたところでございます。

DX推進方針の今後二年間の重点取組といたしまして、オンラインによる手続や相談への取組を打ち出しており、まちづくりセンターが本庁や総合支所とオンラインでつながり、区民が求める手続や相談ができる場所となることを目指し、そのためのデジタル環境の整備など、DX推進方針と地域行政の推進計画の整合を図って、進めてまいります。

また、DXが進む中での窓口の将来像についてでございますが、まちづくりセンターでは、福祉の相談窓口による潜在的、複合的な課題の発見と適切なサービスへ結びつけ、課題の解決力が一層充実した窓口、さらに、日常的な関係づくりが必要な防災訓練などの取組や、ICT環境下での手続の支援の場として、地区の区民の方から頼りにされる身近なコミュニティーの活動拠点、地区の行政拠点としての窓口を目指してまいります。

加賀谷 政策経営部長

私からは、コロナ禍に対する区の姿勢と今後の明確なビジョンについて御答弁いたします。

新型コロナウイルス感染症はその影響が長期にわたり、外出自粛や地域の様々な活動の中止や延期、施設や店舗の短縮営業が要請されるなど、生命や健康のみならず、地域経済や地域活動、学校教育など、様々な分野に甚大な影響を及ぼしております。

この間、区長を本部長とする新型コロナウイルス感染症対策本部において、地域を預かる各総合支所長や生活福祉や地域経済、保育、教育等を担当する各部長より、区民生活の実態や地域の経済、社会、子どもたちの状況の変化等について報告を受け、医療機関や企業経済等の専門家との意見交換も行うなど、総合的に状況を把握するとともに、総務部及び政策経営部が調整役を担いながら、各部における課題や対策を議論し、区として取組の方向を決めてまいりました。

引き続き、この長期化する難局から区民の生命と生活を守り抜くことを第一に、各部がその役割の下、主体となって感染拡大防止と区民や事業者の社会経済活動の維持発展に全力で取り組んでまいります。

また、コロナを乗り越えたその先の将来に希望の光を照らすためにも、誰もが尊重され、安心して生き生きと暮らすことができる、より成熟した世田谷となるよう、中長期的な施策を練り上げ、(仮称)未来つながるプランや次期基本計画に反映をしてまいります。

田中 経済産業部長

私からは二点、まず、産業条例の改正について御答弁いたします。

産業振興基本条例の改正素案では、地域経済の持続可能な発展を目的として、産業の基盤強化や起業促進、多様な働き方の実現など、四つの基本的方針を掲げ、その実現に向けた事業者、区民、区の役割を示すとともに、各主体の取組を促すための具体的施策等を指針や計画に位置づけて、将来にわたって地域経済が持続可能な発展を実現していくことを目指しています。

九月二十七日に開催する条例改正に関するシンポジウムでの区民意見や、十月に開催予定の五回目となる条例検討会議における議論を踏まえ、議会の意見もお伺いしながら、条例の改正に向けた準備を進めてまいります。

次に、旧池尻中学校跡地活用についてです。

令和三年二月にお示しした旧池尻中学校跡地活用の基本コンセプトでは、産業振興基本条例改正素案に掲げる目的や基本的方針等を踏まえて策定しており、目的実現に向けた具体的施策を集中的に実施する場となるとともに、校舎、校庭、体育館の一体的活用についても、区の支出を最小限にしながら、イノベーションによる産業基盤の強化、多くの区民が起業にチャレンジできる場となるよう検討を進めています。

また、日々の運営に区が適切に関与し、様々な関係者との連携を密にしながら、第三者による成果のチェックを定期的に受けることで、適宜運営方法を改善し、地域経済を取り巻く新たな中長期的課題の解決、未来の世田谷産業を担う子どもや既存産業への好影響を実現してまいります。引き続き、区民、議会、区内の事業者など、様々な意見を伺いながら検討を進めてまいります。

内田 生涯学習部長

私からは、知の拠点である図書館についてお答えいたします。

魅力ある地域図書館は、地域地区の歴史を伝承するための拠点であり、また、人が集い、新しい学びを創造する場としての、にぎわいや居場所などの役割と、地区の文化の醸成を担う知の拠点として、地域とともに成長していく図書館だと考えます。

図書館サービスの面からは、区民が生涯を通じて学び、個々の知的欲求や関心に応えることができるように、地域の文化に関する郷土史など、地域の歴史や特性に応じた資料の収集の充実や、ICTを活用した情報発信などの強化を行ってまいります。また、まちづくりセンターや区民センターなどと協力し、地域で活動する団体や多世代の様々な利用者と連携した事業の実施などを通じて、その地区や地域に根差したコミュニティー形成のための特色ある図書館運営に取り組みます。

基本計画に位置づけられた知の拠点を再確認し、現在策定を進めている第二次世田谷区立図書館ビジョン第三期行動計画の案をお示しする段階で、素案では記載できなかった地区の知の拠点である地域図書館の存在意義を明確にしてまいります。

小泉質問

あとは決算特別委員会に移します。以上で終わります。