第1回定例会での一般質問

一般質問 (2月26日)

小泉質問

混雑期における窓口の密回避についてです。

去年の第三回定例会において、春の窓口業務の混雑について区長は、コロナ緊急対応について、当初十分に予想できていなかった、責任者として深く反省するとともに、今後の改善をお約束しておわびすると言われました。まずは、あの混乱を乗り越えた現場の職員の皆様に感謝します。

区は今回、区民をお待たせしないどのような目標を立てているのか、去年に比べ、窓口での混雑をどのぐらい回避できる目標か、どのくらいの区民が地区に行くことを想定しているのか伺います。

この間、現場の職員の方々から、くみん窓口、出張所における現状及び課題と問題点、その解決のための要望が出されました。その中で、十か所の窓口に区民が集中し、窓口が機能不全に陥る現状が続いていると指摘され、問題解決に向けた具体的な方策が挙げられています。

特にまちづくりセンターについて、まちづくりセンターにおける証明書発行業務について、ホームページや広報を活用し、積極的にPRを行い、くみん窓口、出張所へ来庁する人を地域に分散させるべきとされています。現場からの切実な意見を区は取り上げるべきです。

区民と現場の職員双方をコロナ禍の感染から守るための対応だと感じます。この現場からの意見を区当局はどのように受け止めるか伺います。

さらに、現場職員の要望には、マイナンバーつきの住民票も地区で発行できるようにするべきであるとされていますが、区のお考えを伺います。

今回の取組により、多くの区民が、まちづくりセンターに行き、地区の身近な情報を区民にお渡しする絶好の機会となりますが、どのように区が対処するのか伺います。

地域行政について伺います。

現在、地域行政検討委員会から報告がなされ、骨子案がつくられ、パブリックコメントが行われる状況ですが、骨子案の内容、検討の進め方に疑義があります。

世田谷区の地域行政制度は、第一に住民の身近なところに行政が出ていくこと、第二に区政への住民参加の促進を図る、これが二本柱であり、条例化に当たってもこの二点がきちんと位置づけられること。特に地域行政制度であることから、区民生活を支える行政の組織、制度が明確にされることが重要です。

さらに、世の中全体が新型コロナ対応、そしてDX革命から、全ての仕組み、仕事や行動が大きく変わり、区役所も変わっていかねばならないのです。

このような状況の中で今回示された条例骨子案については、これらの社会の変化について配慮が全く読み取れません。地域コミュニティーの在り方について重点的に検討されることは大切ですが、それ以外に十分な論議がないと考えます。

検討委員会の論議のテーマの選び方は自由です。しかし、この検討委員会からの報告を踏まえ、条例骨子案については、区の責任から総合的な区の立場を明らかにするべきなのに、その姿勢が見えません。

先ほどの現場の職員からの要望を読み上げます。くみん窓口、出張所の運営体制は限界に達している。コロナウイルスの発生などから予期せぬ非常事態が発生したときも、区民が必要とするものは行政関係の手続であり、諸証明の取得のために多くの区民が窓口に殺到する事態となった。今後は、まちづくりセンターなどを活用し、地区に密着した行政サービスの提供ができるように行政サービスの分散化を図るべきである。さらには、大多数の区民が望んでいる行政サービスは、住まいの身近な地域で、待ち時間が少なく行政手続が完了することである。現在の区の状況は区民の要望とは異なり、遠くの窓口へ出向き、混み合った窓口で長時間待たされた結果、手続が完了するという状況である。これまでくみん窓口や出張所に窓口機能を集中化してきたが、社会情勢の変化やコロナ禍の状況などを考慮し、今後は区民と行政サービスの接近性を重要視し、窓口を地区に分散化し、自宅の近くで行政手続ができるような体制を構築すべきである。マイナンバーカードの普及状況やそれに伴う行政手続の変化などを注視し、今後の方向性を十分に見極めながらも、早急に対策を講じていかなければならない。

現場の職員の方々は、このように区民のことを真剣に考えています。現場の職員の考えをなぜ委員会に出されなかったのですか。

私は各支所に出向き、現場の職員の方々にお話を伺いました。先ほどのお話しのとおりであり、さらに多くの職員から、自分たちの声が通らないと言われたのです。二月十日の特別委員会で、現場の考えを検討委員会になぜ提出しなかったのか伺いました。区は、いろいろな現場からいろいろな意見が上がってくる。それを所管課として整理検討した上で、その成果として議会等に報告するものであり、まだ処理過程の資料だというものです。現場職員の意見を検討委員会に提出するつもりもなく、条例骨子案を策定するに当たって参考にしません。疑問です。

また、区は特別委員会で、この間、議会の方にも様々御報告を差し上げ、御提案、御意見などをいただいたものについて整理した上で今回骨子案という形でお示ししたと言われました。

私は、世田谷区地域行政検討委員会の第一回から第六回までの議事録を取り寄せ、全て読みました。議会からの提案、意見なるものは全く一かけらもなく、議会と委員会の関係についての記述は、第二回検討委員会に議会報告という文字が今後の予定として出ており、また第三回に議会に報告、条例案を区議会に提案、この言葉だけです。この骨子案のどこに議会からの提案、意見が反映されているのですか。

骨子案は、地域コミュニティーの多様性、自主性、主体性を尊重すると言いながら、地域の課題を区民主体の取組により解決するとされ、区民コミュニティーを目的に利用しようとする上から目線の考えです。コミュニティーを行政の下請機関と位置づける危険性を含んでいます。区のお考えを伺います。

この地区コミュニティーを地区の協議体として、地区の協議体は福祉を主要な活動テーマとすべきという御意見が出ていました。明らかに誘導していると思われかねません。

そして問題は、この地区の協議体の記述が条例骨子案にないのです。資料、条例骨子案の考え方と地域行政の見直しの方向性・視点にも書かれていません。

ところが、追加資料の地区・地域住民参加のモデル案には図が描かれており、ここにだけ(仮称)地区づくり協議会と(仮称)地域づくり協議会という言葉が示されているのです。疑問でしたが、第四回議事録を読んで事情が分かりました。

第四回で、地域づくり協議会が論議されたのですが、条例の文章へどこまで書き込むかというやり取りの中で、条例案では協議会組織についての規定は置かない、コミュニティーの尊重ということだけを抽象的に書いて、実際に条例を施行するに当たって、要綱等に地域まちづくり協議会や地区まちづくり協議会の仕組みをつくることととする、協議会を条例に書くと協議会を認定する仕組みや構成についての規定をどうするかとかややこしい問題が出てくるので書かないこととする、こうされていたのです。

では、一体全体、議会は何を議決するというのでしょうか。どうでもよいことを議決しろということなのでしょうか。議会軽視も甚だしいものです。

さらに、協議会組織は地区も地域も審議組織で、司令塔になり提案事業を公募、審査する。協議会として多様な人がそこに参加するが、しかし、最終的な決定権限は区役所ないし区議会にあるとされます。自分たちで決めると言っておきながら、最終責任は区役所ないし区議会にあると言うのです。このことが全く議会側に情報提供されていないのは一体どういうことですか。もともと地域、地区別々に協議会を持つこと自体が疑問です。屋上屋を重ねることになり、区民が混乱します。区の考えを伺います。

議会のお考えを伺うと言いながら、二月十日議会報告、祝日を挟んで十二日は骨子案特集号を区内配布するということ自体が議会軽視そのものです。

さらに、地域行政審議会を設置するとされています。区に現在設置されている都市計画審議会、環境審議会などとは性格が異なります。地域行政審議会は、今区がやろうとしている区民軽視、職員軽視、議会軽視の象徴です。なぜ設置するのか伺います。現場の職員の声、一般の区民の声を反映しない条例を一体誰のためにつくるか伺います。

これまでの区の努力、参加された区民の方々の努力については尊重しますが、あまりにも現実離れした取組、意味が分からない構成であるとすれば、地域、地区を混乱させることにもなりかねません。

検討委員会自らが、地域行政推進条例という名称に疑問を感じておられます。当然かもしれません。

しかし、私たちに必要なのは、まさに地域行政推進条例です。地域行政推進条例の策定に向けて、一旦立ち止まり、基本に立ち戻るべきではないか。お考えを伺います。

以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)

岡田 副区長

私からは、今回の地域行政改革における主要な目的であるコミュニティーの在り方についての認識について御答弁を申し上げます。

今回お示しした条例骨子案では、地域コミュニティーを日々の生活の営み、またはコミュニケーションを通じてされる地域の人々のつながりと定義しており、また検討委員会の提言では、地域コミュニティーは人と人との交流、地域とのつながりそのもの、あるいは区民の自主的で主体的な活動から自ずと形づくられるものとされております。

世田谷区の地域行政制度はまさにこのことを重視し、地区と地域に行政拠点を置き、地域コミュニティーに根差した住民自治を目指した制度であり、今、地域社会の在り方が変化し、人と人のつながりが希薄化する傾向がある中で、安心で暮らしていてよかったと感じることができるまちをつくっていくためには地域コミュニティーの醸成が欠かせないと考えております。防災、高齢者などの支えあい、住みやすい環境づくり、そして社会的孤立の防止など、地域の課題は今後ますます広がり複雑になります。

今般の地域行政改革は、地域行政制度の財産である地区の行政拠点まちづくりセンターがその機能を発揮し、地域コミュニティーを支え、広げていくことを一つの大きな目的としております。

清水 地域行政部長

私からは、順次御答弁を差し上げます。

初めに、混雑期の窓口対策について一括して御答弁いたします。

混雑期を迎えるくみん窓口、出張所において、新型コロナウイルス感染症拡大防止、混雑緩和を図るための時間や場所の分散につながる取組を集中的に実施する必要があると認識しております。特に申請件数が多い証明書に関し、くみん窓口や出張所に行くことなく各種証明書をお受け取りいただけるまちづくりセンターでの取次発行、郵送請求、マイナンバーカードを利用したコンビニ交付等について、区報三月一日号一面掲載、広報板等のポスター掲示、ホームページ等を活用し周知を強化し、発行場所等の分散を図ってまいります。

これらの取組により、まちづくりセンターでは一日当たり二百件増の四百件の発行を想定し、他の取組も併せ、くみん窓口、出張所においては、証明書発行は三〇%ほど減少する想定をしております。

届出につきましても、取次発行や郵送手続によって生まれた人的パワーを効率的に運用し、また異動届等と証明書の発行ラインの分散や呼び出しメールの活用などにより、混雑緩和の取組も引き続き進めてまいります。

業務により一定の処理時間を要しますが、総合支所、出張所において効果的な取組を工夫し、お待たせしない窓口に努めてまいります。

次に、現場職員の意見の反映です。

まちづくりセンターにおける証明書の取次発行の積極的周知等は、くみん窓口、出張所等からの現場の経験に基づく提案を受けて、新型コロナウイルス感染症拡大防止、混雑緩和につながる実効性のある方策として取り組む予定です。まちづくりセンターや広報所管をはじめとした関係所管との庁内調整も速やかに進め、新型コロナウイルス感染症拡大防止、混雑緩和に向け取組を図っております。

次に、マイナンバー入り住民票の写しのまちづくりセンターでの取次発行につきましては、ふるさと納税の控除手続時などマイナンバーの確認用途に応えるため、三月八日より開始するための準備を行っており、あわせて周知を図ってまいります。

次に、先ほど述べた取組によりまして、まちづくりセンターにこれまでお越しになる機会のなかった方々が来所されることが期待されます。まちづくりセンターでは、これまでも来所した区民の方に、配架中の区刊行物のお渡しや、地区のミニコミ誌や、イベント情報等についても丁寧な御案内を行っているところです。証明書の取次発行等も通じて、区民の方にまちづくりセンターにお越しいただき身近に感じていただくとともに、そうした機会を逃がさず興味を持っていただけるような工夫など、地区それぞれの個性を生かしながら、身近な情報を提供できるよう総合支所と連携し取り組んでまいります。

続いて、地域行政について順次御答弁をいたします。

初めに、窓口問題に対する現場の声についてです。くみん窓口、出張所の現状と課題に関する職員の報告は、マイナンバー制度の導入や証明書自動交付機の廃止、コロナ禍の影響などに伴い事務が複雑化し、取扱数が増加している現状について、窓口現場の実態や職員意識を示すものとして受け止めております。

また、マイナンバー関連業務や支援措置に関する窓口の集中化や、証明書発行に関する窓口の分散化などについての方策について、窓口を担当する職員の視点から、その課題解決の方向性として示されておりますが、まずは今期の混雑期への対応を確実に実施するとともに、地域行政の検討において、窓口の在り方については具体化してまいります。

次に、地区、地域の協議会組織の設置についてです。

今般、地域行政見直しの方向性・視点でお示しした地区づくり協議会は、区民や多様な地区の団体が自由に参加し交流する場を通じて、まちづくりの計画づくりや実施に関わることができる緩やかな場として想定したものです。また、地域づくり協議会は、区の重要施策や計画、広域的な課題などに対して、地域特性や地域経営などの観点から、住民参加により検討する場として設置することを想定しています。地区、地域の協議会はその機能が異なるものであり、区民を地区や地域で分けているものではございません。

次に、地域行政審議会についてです。

地域行政審議会は、令和四年度からの地域行政の改革を進める地域行政推進計画の基本的な方針や考え方について、地域行政条例の目的に資する内容であるかなど専門的な知見などにより調査審議する附属機関として設置することを想定しています。地域行政推進計画は、区議会、区民、職員の検討を踏まえて策定することが基本と考えており、今後審議会の在り方については引き続き検討してまいります。

次に、特別委員会報告の後、祝日を挟み翌日に区報特集号の発行についてです。

(仮称)世田谷区地域行政推進条例の制定及び推進計画策定の考え方については、昨年九月の地方分権・本庁舎整備対策等特別委員会に御報告し、また、条例骨子案については、昨年十二月及び本年二月の同委員会に御報告をして、意見をいただいたところです。広く区民の皆様にも条例骨子案の考え方などをお示しして御意見を伺い、条例づくりに生かしていく必要があることから、区議会での御議論と併せてパブリックコメントを発行したところです。

次に、審議会とは、区の言う参加と協働とは何かについてです。

(仮称)世田谷区地域行政推進条例や推進計画は、区民主体のまちづくりに関する区民と区の役割や、まちづくりセンターや総合支所、本庁の仕事の進め方にも関わるものです。このため職員や検討委員会などで検討して区議会に御報告し、御意見を伺うとともに、住民説明会やパブリックコメント、シンポジウムなどを通じて区民に御説明し、共に考えていただきながら、共通点を見いだし策定する、そういうプロセスが不可欠であり、そのことが参加と協働による取組であると認識しております。そのような中で、地域行政審議会の在り方については検討を進めてまいります。

次に、骨子案とは何を指すのかについてでございます。

区民主体のまちづくりを進める上では、多くの区民が地域情報を共有し、自らの意思で地域コミュニティーに参加し、まちづくりを考え取り組む機会があり、また、区民や活動団体相互の交流が進み、連携協力して地域課題に向き合う関係づくりが重要であると考えております。条例骨子案ではそのための区民と区の役割を規定し、また、まちづくりセンターや総合支所において、多様な区民参加の機会を設けることなどを中心に定めるものです。

最後に、区民の声、現場の職員の声を全く反映しない条例案とは誰のためにつくるのか、地域行政の検討は地域、地区を混乱させる、基本に立ち戻るべきについて御答弁いたします。

地域行政は今後長きにわたって区の行政運営の基盤となるものであり、また、住民自治を高めるための仕組みでもあります。そのため、その理念を区民の方々と共有し、地域行政改革で目指すこと、具体的な取組などについて、ともに考えていただくことが重要であり、今後、精力的に地区を回り御意見を伺い、また庁内議論を重ねて条例づくりにつなげてまいります。