世田谷区の『地域行政』について -3-

前回は、平成3年度に「地域行政」がスタートするまでの経緯について、振り返りました。今回は、地域行政がスタートした後、総合支所の体制が拡充されていく様子を見ていきます。

地域行政がスタート

行政と現場との距離が遠くなり、区の組織が膨張し、縦割り行政になっていました。そこで、行政サービスやコミュニティ、区民参加などの点で、行政と区民との間のコミュニケーションが滞ることの弊害をなくすため、『地域住民に密着した総合的な行政サービスの展開』や『地域の実態に合ったまちづくりの推進』、『区政への区民参加の促進』を行うことで、住民自治の確立を目指すことを目的に、平成3年度に「地域行政」がスタートしました。

この目的を達成するために、「地域が抱える課題の解決」、「行政サービスの向上」、「行政運営の適正化」、「街の整備の推進」、「コミュニティづくり」、「地域福祉の展開」、「区民参加の推進」の7つの項目が設定され、次のような取組みが進められました。

総合支所の体制が拡充

総合支所の設置

区内を5つの地域(世田谷、北沢、玉川、砧、烏山)に分け、それぞれの行政の拠点として、平成3年度に「総合支所」が設けられ、「区民課、地域振興課、福祉事務所、街づくり課、土木課」の5課が設置されました。出張所(現在は出張所・まちづくりセンター)については、平成3年度の発足に合わせて、それまでの24出張所から26出張所と拡充され、名称についても、一連の番号制から町名等による親しみやすい名称に変更されました。平成6年度には、砧総合支所内の分室を「成城出張所」とし、27出張所の体制が整いました。

平成7年度には、区民参加や地区まちづくりを推進するため、出張所に「まちづくり主査」を配置するなど、まちづくり機能の充実が図られました。 地域での事業展開をさらに進めるため、平成9年度には、保健所と福祉事務所を再編した「保健福祉センター」が設置され、また、平成11年度には、都市整備関連の事務を大幅に移管し、「街づくり部」が設置されました。これにより、総合支所は、「区民部、保健福祉センター、街づくり部」の3部体制となりました。

総合支所の職員数も充実

地域行政がスタートした平成3年度では、総合支所に配置されていた職員の数が1,225人で、職員総数5,990人の20.5%を占めていました。その後体制が充実されたことにより、平成9年度の総合支所の職員数は1,398人となり、職員総数5,898人の23.7%を占めるようになりました。さらに充実が図られ、平成11年度には、総合支所の職員数が1,618人となり、職員総数5,806人の実に27.9%までを占めるようになりました。

このように、職員総数が減少していく中でも、5つの地域での、特性を活かした行政を充実させるため、総合支所の職員数は充実されてきました。また、出張所の職員数は、職員総数のうち、5.5%程で推移していました。

このころは地域の人々もいきいきしていました。

 

このように5つの地域を色分けしてタマゴで表したりもしていたんですよ。新たな地域行政制度の誕生を、区民の皆さんに知っていただくために、「たまご」をシンボルマークとして活用し、そして、5つの地域それぞれに、個性に合わせた色を選び色分けすることで、地域行政制度の浸透を目指しました。

 

また、当時の資料が出てきました。カラーコピーをスキャンしたので画質は良くありませんが、区の考え方や行動がお分かり頂けると思いますので、ぜひご覧ください。
画像をクリックするとパンフレットが開きます。